娘とポケモンガオーレ メルタン>メルメタル ~生きた液体金属なのか?編~

炎神アルセウスとメルメタル

“I‘ll be back”

― ターミネーター ―

【蒐集】

3月16日目覚める。
今日のスケジュール感を…目覚めると同時に考える癖がついている。

休みの日ぐらいは、頭で仕事を考えずにゆっくり目覚めたらいいのに、これが社畜の悲しいところなのであろう。休日なのに少し損をした気分になる…。

この冬に奮発して、ハイレベルな羽毛布団を購入した。今は何時であろうか…横に寝ていた娘の姿が…ない。

早いな…。

このふわふわ感に包まれてあと少しだけ…本当は起きる方がいいのであろう…我が意に反するのではあるが…しょうがない…これはしょうがない、布団が良すぎるのだ、ゆっくり微睡の時間を甘受しよう…。そう、羽毛布団が誘うのだ。

と、決めた直後であろうか、娘がボーマンダよろしく、羽毛布団にダイブしてくる。ふかふかの羽毛布団も娘にかかれば遊び道具である。油断とは恐ろしいもので、久しぶりに『グワ!』と声を挙げてしまった。

まさに羽毛の原材料から発せられるような声である。

そうだ、平日は寝ている娘を起こさずに起きるのが日課であるのだが、休日は娘に起こされるのが日課であった。

いつもの攻撃が始まった。
『早く起きて~』
『ねぇってば~』
『は・や・く~』

束の間の微睡タイムが壊される。いや…壊されるのではない。幸せな時間の到来を予感させるプロローグなのであろう。耳元で娘が囁く…
『ガオーレ行きたいなぁ』
『今日も行く?』
『うん、行きたい』
『何か取りたいポケモンまだあった?』
『ある』
『なに?』
『メルタン!』
『あ~あの金属を食べるやつね』
そう、先週娘にポケモンのビデオを見せられて、ご丁寧に予習させられていたのである。
確かに、メルタンはなかなか可愛らしい。
『しょうがないなぁ…行くか』
『やった~!』

その後の嫁からの苦言の波状攻撃を何とか凌いで出発にこぎつける事に成功する。
『まぁ、こんなものは一過性のものなので…』
『でも、近所の人は2年経つけどまだはまってるらしいけど』
『うちの子は、夏には終わるよ』
『あなたが連れて行かなければね…』
いや任天堂次第だろ…と心に想うがそこは触れないでおこう。任天堂が凄いコースを出してくれば…その山に登るしかないのである。

10時開店が多いのであるが、出発までの苦言を浴びる時間を減らすために、もっと早く開店する店を探そう。そう、精神の安寧は大人には必須栄養素なのである。

神アルセウスは『炎』タイプが登場している。もう普通神アルセウスを先輩トレーナーから賜ったので、特に欲しいとは思わないが、少し興味はある。

本日は、娘の希望のメルメタルコースに挑む。

コースと言えば…アルバート・パーク・サーキットでオーストラリアGPが開催されている。昨年までのHONDAは苦しんでいたが、今年のHONDAには過剰に期待してはいけないが、やはり期待してしまう。

白と赤の車が来たらコース上でライバルが道を譲っていた時代を知る者には、やはり表彰台しかHONDAには似合わない。バルセロナテストでの仕上がりを見るに、今季は期待通りの結果が伴うと…鈴鹿凱旋…盛り上がりそうだ。
昔は抽選であったが今もそうなのであろうか。HONDAの優勝が見たい。

メルメタルコースをHONDAのように果敢に攻めたが、そもそも出現しない。
メルタンぐらいは顔を出してくれてもいいものを…

次戦は娘の希望で、炎神アルセウスコースを攻める。

普通神アルセウスが手元にいるので、あまり期待せずに娘の楽しそうな表情を眺める。
Z技で倒す…。もちろん、このZ技のターンだけ呼ばれてパパが押したZ技である。そぅ…この一押しの刹那のみ、ボタンに初めて触れる事を許されたのである。

さぁ、娘よどんなボールを繰り出してくれるのかい?スーパーボール…。炎神アルセウスは無理であろう…。
『え?パパ取れた!』
『うわ!入った!』

まさかの御神体2柱目である。
排出された炎神アルセウスを眺める…。

これはヤバイ…全4柱のうち、2柱手に入れてしまったら、あと2柱も欲しくなるではないか…。なんてことだ…導火線に火がついてしまう。

男はコレクション癖がある人が多いという。昔は切手、古銭に始まり、なぜか色々コレクションしてしまう…

使う?使わない?そんなものは男子には野暮な質問だ。ポケットにダンゴムシを何匹も入れていたからと言って、深い理由がある訳ではない。トカゲやバッタを捕まえるのに理由などあるのか?ドングリを拾いまくるのに理由などある訳がないではないか。

とりあえず集めたい…取りたいだけなのである。

嫁『物が多すぎるし何年も使わない物は売るか捨てて。』
『服は一つ買えば一つ捨てて』
『フランス人は、どうたらこうたら』。
ベストセラーとなった『フランス人は10着しか服を持たない』なんてタイトルだ…

嫁はこの本でフランス人に感化させられている。

嫁よ、君は間違いなく日本人だ…

昔のおばあちゃんは包み紙や、紐の一本でも使うか使わないか分からないのに大事に取っていたぞ…と言いたいがこらえる事にまた成功する。

しかし…なぜ毎回毎回同じことが繰り返し言えるのか…女性脳の仕組みには感心させられる。息子には365日、毎回毎度毎朝毎晩同じことを言っている…何年も何年も言えば息子の性格も分かるであろうに…諦めるという言葉はないのか、はたまたDNAに刻まれた何かがそうさせるのか?

その原動力を科学すれば新たな脳世界の発見があるやもしれない…。嫁の観察も面白そうではある。コレクションへの共感は諦めよう。安寧が大事だ。

さて、炎神アルセウスをゲットし、調子の波があがってきた娘が本命のメルメタルコースに戻る。メルタンは出ないがメルメタルが現れた。ダブルパンツアー…これは相当ヤバイ…回転しすぎであろう。

昔のライブドアのCMが頭をよぎる。

望みはなんとか時間内で倒し、ディスクにして持ち帰る事。

娘と共にまた祈る…。
娘の祈念ぶりは近所の神社の参拝でも見せないぐらいの気迫のお祈りだ。

きた…先輩がきた。娘の先輩はなんて良い先輩なのだろう…。先輩に恵まれている。面倒見がいい先輩なのであろうか。先輩の出る確率が知りたいものである。

メルメタルがディスクになって手元に届く。Z技は無いが、液体金属のような体は、かの『ターミネーター・T1000』を彷彿とさせる。

カムバック、サラ・コナー・クロニクルズ。

帰り路で思う…。もうほぼ手中に収めた。
確かに、神アルセウスはあと二種類降臨予定ではあるのだが…。

そろそろ娘の興味も薄れていくのではなかろうか…。気合を貯める為に、せっかくゲットした☆5の使えるタイミングが少ないのである。娘は☆5を最初から使いたいのであるが…一撃で終わらせるバトルも発生してしまう…そうなると☆5の遭遇率が下がる。

任天堂とタカラトミーにお願いしよう。もっともっと最初から☆5を出せる相手とのバトルコースを!と。

難しさレベル10の出現を祈っておこう。

“龍騰虎闘”

― 旧い四字熟語 ―

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