見出し画像

結局どうすれば良いんだって?

金融商品の紹介、特に投資信託とはどのようなものかを説明してきましたが、結局どうしたら良いのかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

少し具体的に書きますが、投資は自己責任であることはくれぐれもお忘れなく。


まずは預貯金を、ある程度貯めることです。

会社員ならば、手取り年収の半分くらいあれば安心でしょう。

自営業者の方は、生活費1年分くらいの現預金を持っておきたいところ。


雑誌や新聞で紹介されている「平均」ではなく、自分の数字を知ることが大切です。

自分の資産全部のうち、どのくらいのリスク資産を持つか。

多くの人の場合、老後の生活費は公的年金とこれまで貯めてきた資産を取り崩してまかなうことになります。

リタイア後の65歳から95歳までの30年間は「360ヶ月」。

1440万円貯蓄がある人は、毎月4万円ずつ取り崩すことができます。

運用がうまくいかず生活費が毎月1万円減っても大丈夫だと思えるなら「最悪の場合3分の2になる商品」に360万円の3倍の1080万円まで投資可能。

「リスクを取るもの」と「取らないもの」の配分についての3つのポイント。
①生活費の半年~1年分は、いつでも出し入れできるように普通預金に入れておく
②5年後に必要になる大学の教育費や、2年後に買う家の頭金などの絶対減らしたくないお金は「定期預金」か「個人向け国債」で持つ。
③当面使う予定のないお金は、収益性を目指して、日本と外国の株式に広く投資をする「インデックスファンド」で運用。


具体的な投資信託の選び方。

いきなり個別の投資信託商品を選ぶのではなく、どのアセットクラスにいくら投資するかを決めてからファンドを選びましょう。

そうしないと自分がどれだけの大きさで、どういった性質のリスクを取っているのかを把握できなくなります。

国内株式と先進国株式(投資対象国が分散されているもの)に50%ずつ投資するのが、無難かもしれません。

次はアセットクラスごとに、商品を選びましょう。

手数料が高く付く場合が多いバランスファンドより、シンプルなファンドを選び自分で組み合わせることをオススメします。

手数料は、継続的にかかる信託報酬に注目。

年率0.1%でも節約できるに越したことはなく、その差が0.2%あれば小さくない差だと考えてください。

信託手数料が安い商品を選ぶとなると、インデックスファンドを選ぶことになります。

購入したファンドの資産規模も、確認しておきましょう。

100億円以上あれば、まず大丈夫だと考えて良いと思います。

過去の運用成績と未来の運用成績は無関係ということは、強く意識すべき。

運用の上手いアクティブファンドを選ぶことができるというFPは疑うべきです。



全世界に投資ができる商品は、大きく分けて三つ。

一つ目は、バランスファンドのうち投資するアセットクラスの種類が多く、結果的に全世界に投資できるもの。

具体的な商品だと
□ニッセイ・インデックスバランスファンド(六資産均等型)
□eMAXIS Slim バランス(八資産均等型)
□たわらノーロード バランス(八資産均等型) など

二つ目は全世界株式投資信託。

バランスファンドには債券への投資が含まれることが多く、外国の債権の場合為替レードの影響を受けるため、国内債券ほどリスクを抑えた運用はできません。

それなりにリスクをとるのであれば、積極的に株式で投資をしていきたいという場合の候補になります。

具体的な商品としては
□SBI・全世界株式インデックス・ファンド『愛称:雪だるま(全世界株式)』
□eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
□eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
□たわらノーロード 全世界株式 など

三つ目はアセットクラス別の投資信託を自分で組み合わせる方法。

日本株式インデックスファンド、先進国株式インデックスファンドと、それぞれ自分の考える配分で購入するという選択になります。

日本株式インデックスファンドの代表的な商品としては
□iFree 日経225インデックス
□ニッセイTOPIXインデックスファンド
□eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) など

先進国株式インデックスファンドの代表的な商品としては
□eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
□SBI・先進国インデックス・ファンド『愛称:雪だるま(先進国株式)』
□たわらノーロード 先進国株式
□eMAXIS Slime 先進国株式インデックス など

「外国株式インデックスファンド」と「日本株式インデックスファンド」を「6:4」の比率で持つのもオススメ。

「外国株式インデックスファンド」はMSCIコクサイに連動するもの「日本株式インデックスファンド」は TOPIX(=東証株価指数)に連動するものが良いかもしれません。

各商品を選ぶ際には、目論見書などを確認し、自分の意図するアセットクラスに配分できることになるのかを気にかけましょう。

新興国インデックスファンドなども、選択肢になるかもしれません。

□eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
□ニッセイ新興国株式インデックスファンド 
などの商品があります。

日本株式や先進国株式に比べて、変動幅が大きなアセットクラスのため、投資に余裕が出てきてから検討するくらいで良いでしょう。



金融商品のリスクだけでなく、年齢や収入など自分の持つリスクも考えて購入商品を検討する視点もあります。

年齢が若いときは、二つ目や三つ目の株式中心の投資信託を購入する選択をするのも良いでしょうが、年齢を重ねた人であれば一つ目のバランスファンド、特にバランスファンドのなかでも債券の比率が高いものを検討すること
が選択肢となるでしょう。

投資信託に比べて、すぐに売却できたり、自分の希望する「指し値」で取引ができるETF(上場投資信託)。

投資信託は長い期間の中で、どう考えてもおおむね利益が出るだろうと思うところで、少しずつ売却していくことになるので、若い人ほど悠長には待てないという人は、金額を少し押さえてETFというのも一つの選択肢です。

代表的な商品としては
□ダイワ上場投信ートピックス
□SBI上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本
□上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCIーKOKUSAII)


わざわざ口座を開いて投資をするのに、年率換算2%程度だと物足りないと感じて、退職金でまとまった金額が入るタイミングなどでは、リスクを取った投資に手を出す人もいますが、ほとんどの人はできれば投資などに注ぐエネルギーは、最小限に抑えたいのではないでしょうか。

投資で負債を抱えたり、老後資金を取り返しがつかないくらい減らしてしまうといったトラブルを防ぐために、投資する金額を抑えること・投資で成果を得るまでの期間を長めに見積もること・購入する商品の性格を分散することを心がけましょう。

投資はお金と付き合う上で、節約や働くことと並ぶ重要な柱の一つですが、やらなければならないものではありません。

経済が安定していて景気が上り調子のときにするもので、世の中がどうなるかわからない状況の中では、しなくて良いと考える人もいます。

特にすぐに取り崩す可能性がある資産を金融商品に換える必要があるのかは、十分に検討しましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?