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ふとまに 百五

#ふとまに  百五

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*読みくだし

す の こけ の
とかめ は あるし
め の こけ は
をころ まつりて
ゐお や かえらん


*書きくだし

住の痩けの
咎めは主
陰の痩けは
穢転 纏りて
庵や還らん

*語意

住の痩け/す の こけ:暮らしぶりの悪化
咎め/とかめ:責任
主/あるし:中心にある者 治める者
陰の痩け/め の こけ:土壌汚染・土地の荒廃ぶり
穢転/をころ・ヲコロ:穢(けがれ)を転じて払拭する 穢転の神=土地を掻き回して穢れを消し去る神性
纏る/まつる:治める 処置する 調える 続け連ねる 据える
庵/ゐお:暮らし 生活 住居
還る/かえる:戻る 復帰する 循環する


*意訳

暮らしぶりの悪化は
統治為政者に責任があります
土壌汚染や農地の荒廃については
土地を浄化してくださる自然の神秘に縋って(頼りにして)
生活を元通りに改善することができるでしょう


*十楽註

 広義には経済の低迷・社会全般の衰退、狭義には各家庭の暮らしぶりの悪化、それらは、治世者の行政手腕、あるいは一家の稼ぎ頭の収入次第といったところです。土壌や環境の汚染もまた、大規模な土地改良施策と、一軒一軒の農家が懸命に土地を耕してくださる、そうした貢献の総和によって、『ヲコロの神様』の御加護をも頂戴しながら、改善してゆくことを期待するわけです。為政者と民が力を合わせ、神様のお力添えを賜りながら、大自然と一体になって、過剰に得ようとせず、地域ごと、身のほど相応に足るを知る自給自足生活の維持を目指し、みんなで額に汗して日々を生きてゆく。それこそが文明の根本であり理想なのでしょう。

 翻って、私たちの現代文明は、一切の価値をお金に還元してしまい、巨大資本があらゆる食材・食品の大量生産・大量消費の過程すべてを管理。そのためには遺伝子操作もお構いなし。人びとは、つねに毒を喰らわせられながら、細々と積み立てたる僅かな財産を、ただ絞り取られてゆくのみ。こんなシステム、さっさと打ち壊して、いにしえの秀でた仕組みを再び呼び戻しましょう。


【参考資料】

①ふとまに解読ガイド
https://gejirin.com/futomani.html

②ホツマふとまにカード128
ふとまに百二十八(ももふそや)歌