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【重要】 【シェア】 新型コロナウイルスの感染を増強する抗体を発見―COVID-19の重症化に関与する可能性―(抜粋)

新型コロナウイルスの感染を増強する抗体を発見―COVID-19の重症化に関与する可能性―(抜粋)

令和3年5月25日

大阪大学
日本医療研究開発機構

>>抜粋はじめ>>

研究成果のポイント=●
本研究の考察と意義=○


●新型コロナウイルスに感染すると、感染を防ぐ中和抗体ばかりでなく、感染を増強させる抗体(感染増強抗体)が産生されることを発見した。

感染増強抗体が新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の特定の部位に結合すると、抗体が直接スパイクタンパク質の構造変化を引き起こし、その結果、新型コロナウイルスの感染性が高くなることが判明した。

○本研究により、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の特定の部位に感染増強抗体が結合するとスパイクタンパク質の構造が変化して新型コロナウイルスの感染性が高まることが明らかになった。

感染増強抗体中和抗体の感染を防ぐ作用を減弱させることが判明した。

感染増強抗体が産生されると、中和抗体の感染を防ぐ作用が減弱することが判明した。しかし、十分量の中和抗体の存在下では感染増強抗体の影響は見られなかった。実際、重症患者では感染増強抗体の産生が高い傾向があり、感染増強抗体の産生が重症化に関与している可能性もある。しかし、実際に感染増強抗体が体内で感染増悪に関与しているかはまだ不明であり、今後の詳細な解析が必要である。

○最近の変異株には、中和抗体の認識部位に変異があり中和抗体が十分作用しない株も存在するため、中和抗体の防御効果より、感染増強抗体の増悪効果が高くなってしまう可能性も考えられる。

●新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症患者では、感染増強抗体の高い産生が認められた。また、非感染者においても感染増強抗体を少量持っている場合があることが判明した。

非感染者において低レベルの感染増強抗体を持っている人が明らかになった。既に感染増強抗体を持っている人では、新型コロナウイルスの感染で感染増強抗体の産生が高まる可能性が考えられる。

感染増強抗体を検査することで、重症化しやすい人を調べることが可能になると期待される。また、重症化がどのように進むのか明らかになる可能性がある。重症患者の治療に対しても新たな検査指標になる可能性がある。

感染増強抗体の産生を解析することで、重症化しやすい人を検査できる可能性がある。また、本研究成果は、感染増強抗体の産生を誘導しないワクチン開発に対しても重要である。

感染増強抗体の認識部位は現行のワクチン抗原にも含まれている。従って、感染増強抗体の産生を誘導しないワクチン抗原を開発することが望ましい。本研究で明らかになった感染増強抗体の認識部位を改変することで、感染増強抗体の産生を誘導しないワクチン開発が可能になると期待される。


COVID-19患者における感染増強抗体の解析

COVID-19患者における感染増強抗体の解析を行った。競合阻害法によって、感染増強抗体が特異的に検出できることが判明した。そこで、COVID-19患者における感染増強抗体と中和抗体を測定し、その差を解析することにより、重症患者では感染増強抗体が高い傾向が認められた。また非感染者においても感染増強抗体を持っている人が存在することが判明した。従って、感染増強抗体を持っている人の感染やワクチン投与によって、感染増強抗体の産生が高まる可能性が考えられた。

<<抜粋おわり<<


*十楽註

本抜粋稿の最後部分、
『感染増強抗体を持っている人の感染やワクチン投与によって、感染増強抗体の産生が高まる可能性』
との記述が、極めて示唆的で注目に値すると思います。

原因・経緯は不明ですが、非感染者の中に、低レベルではあるものの、感染増強抗体を持っている人が存在し、その人が『感染すること』や『ワクチンを接種すること』により、感染増強抗体の産生が高まる恐れがあるというのです。

この↑↑資料では、検体が『2019年6月以前に採血した米国人の血清』となっていますが、新型コロナウイルスが流行し始めたとされる時期(2019年12月)よりずっと前の検体なので、疑問が生じます。

今回の研究は『新型コロナウイルスに感染すると感染を防御する中和抗体ばかりでなく、感染性を高める感染増強抗体が産生されていることを初めて発見』したのですから(「概要」より)、『2019年6月以前に採血された血清』に感染増強抗体が確認できたということは、新型コロナウイルス自体は、定説より相当に早い時期から拡散(蔓延?)していたことになり、このウイルスなるもの出自の謎に迫る、検討すべき課題的疑問です。

いずれにせよ、すでに私たちの誰もが体内に有している可能性がある感染増強抗体が、新型コロナウイルス感染症なるものの重症化の鍵となることが判ってきました。

そして、コロナワクチン(の接種)が感染増強抗体の産生を誘導する恐れがあることも。

この研究結果をどう見るか。何を思い、今後どのように対処してゆくか、私たちそれぞれが判断してゆくべきことですが、ご参考にしていただければと思い、ご紹介いたしました。

詳しくは、原文↓をご熟読くださいませ。

https://www.amed.go.jp/news/release_20210525-02.html