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國體と位相幾何学~北海道瀬棚郡利別村河島家のルーツを辿る(10)(白頭狸先生著『京都皇統と東京皇室の極秘関係を読む』番外)

さる7月8日(土)に戦略思想研究所の中森護様が主宰する風猷縄学(第二期)第零回会議に参加いたしました。
今回、はじめて会場に参加したのですが、第零回会議にふさわしく識見に富む議論がなされ、風猷縄学という場が史観と胆識を深める二つとない最高の稽古の場であることを確認いたしました。

風猷縄学(第二期)第零回会議の稽古の場において私自身が想到したことは二点ございます。
一つは、世界の歴史は万古以来、皇祖皇宗の歴史を軸として展開していること、
もう一つは國體と位相幾何学の類似性についてでございます。

前者は直観的に至ったものですので、これを実際の歴史事象と照らした際に整合性を持つかどうかを確認する必要があります。
今回は後者について論述します。

位相幾何学とは数学の学問分野の一つで、図形を”連続的に”変形させていった時の図形の不変の性質を探ることを基礎とする幾何学のことを言います。
位相幾何学においては”連続的に”というところが重要で、図形を切ったり貼ったりしたのでは”何でもアリ”になってしまうのでそのような操作はせず”連続的に”変形させていくことが原則となります。

位相幾何学は”粘土の幾何学”とも呼ばれるように、上記のような原則があるとはいえ、かなり自在に図形を変形させることができます。
たとえば私たちが学校で習う幾何学(ユークリッド幾何学)では、円と三角形と四角形は異なった性質を持つ図形として習いますが、位相幾何学においては円も三角形も四角形も”同じ”図形として扱うことができます。
いまここに一つの粘土の塊があるとして、この粘土の塊をこねてまん丸(球体)にします。球体を平面に写せば「円」となります。次に同じ粘土の塊を成形して、三角おむすびを作ります。これを平面に写せば「三角形」となります。今度は同じ粘土の塊をこね直してサイコロ(立方体)を作ります。これを平面に写せば「四角形」となります。
円と三角形と四角形は異なった性質を持つ図形のように見えて、もとは同じ粘土の塊からできた図形と観るのが位相幾何学の基本的な考えとなります。

この位相幾何学の基本的な考えは、國體に相通じるものがあると観じました。すなわち國體とは国の”かたち”を規定する根幹であると同時に国全体のあり方を意味するものですが、これを位相幾何学的に言い表すとすれば、「國體とは時代や社会の変化によっても不変であるところの国の本質」と言うことができます。
では、日本という国の國體すなわち国の本質は何であるのかということですが、これを一言で申すならば「奉公」ということに尽きるのではないかと思っております。
「公」の大元は『古事記』にある如く天地自然にあり、天地自然にお仕えすることが奉公の第一義となります。
日本のみならず世界の歴史の原動力は「奉公精神」にあり、それは時代や社会の変化によっても不変であると観じており、みずからの拠って立つ場を「公」と心得て孜々励んで参りたいと存念しております。

(白頭狸先生のnote記事より転載)

頓首謹言




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