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ラカと私の馬場日記、ときどき息子   ~再び猫カフェへ…?~    2024.9.4

 昨夜遅く何の連絡もなく帰ってきてリビングの床で寝てしまった息子。起こしても微笑むだけなので、あきらめて隣の和室に運んだ(ひきずった)。ラカは手伝わず笑いながらビデオ撮影。

 朝起きてきた息子は、まだ寝ているラカを起こすまいと気遣って、無言で「昨日は運んでくれてありがとう、すまんね」というジェスチャーをした。「まざんこ倶楽部」でラカがアップした動画を見たのだろう。というのは、起こした時に息子が無言でにっこり微笑む場合、脳は意識活動を停止していることが多いからだ。昨日のことも憶えてないはず… さっき聞いたら、やっぱり憶えてないって。

 「猫カフェに行こう」と息子が言う。夕方からはラカも合流できるだろう、喜ぶに違いない。ランチタイムで混んでる店は避けたいと息子が言うので、私は先日のオレンジコートに行って、息子はリモワで仕事を片付けてから、別々に昼食を済ませたあと猫カフェで合流することにした。
 息子は外出時はスケボを使う。スケボは速いので、一緒に外出する際は息子より先に家を出る必要がある。オレンジコートまでは歩いて20分だし、こないだ気に入った焼き菓子も買いたいし、猫カフェの平日フリータイムはできるだけ長く利用した方がお得。ということで、私は準備もそこそこに家を出た。

 実は昨晩、息子は「明日猫カフェ行こうか?」と聞いてきた。そのとき私は日記を当日中にアップしようと焦って作業していたので、「空いてるの?」(息子の仕事のことを聞いてる)「店?」「いや、○○(息子の名前)」という中途半端な会話で終わった。日記より息子との会話を優先すべきだったのに… 息子は自分のオーストラリア旅行の前に猫カフェ行きたかったのだ。

 「馬場FLAT」のテラス席に座ってパンを食べながら、ランチタイムにくつろぐ会社員たちの姿を眺めていると、息子から「今日休みっすわ、ばけねこ」とLINEが入る。痛恨のミス。営業してるかどうか全くチェックせずに来てしまった。やはり昨晩、提案された時点ですぐ確認すべきことだった。平日の何曜日かが定休日なの知ってたはずなのに、今日は大丈夫だと思い込んでいた。
 昨晩おざなりにしてしまった反省、息子の希望通りに行こうという気持、そして何より、ラカと息子と3人で猫カフェという嬉しさで、ついつい勇み足になった。

 息子は大学2年のはじめにウチを出て行った。でも「ときどき」、時には「ちょいちょい」帰ってくる。いま住んでいるのは、一部の23区民言う「都外」であるところの都内で、交通の利便性は馬場とは比較にならないし、以前住んでいた錦糸町の物件のような駅近でもない。それ故、ここは便利な無料の宿としてご愛顧たまわっている。我々が埼玉に引っ越したら、今ほど実家に帰ってこないのは火を見るより明らか。

 ラカは弟と遊ぶのが好きだ。食卓を使った卓球(文字通り、テーブルテニス!)、いろんなカードゲームやボードゲーム。次女と三女がここに帰って来ない今、息子はラカの精神安定に欠かせない、ありがたい存在。たまに一触即発、いや、実際に激突することもあるけど… 昔ほどではない。
 昔、そう二人が思春期の頃、大げさではなく流血は日常茶飯事だった。いつか別の機会に書こう思う。いろんなことがあったから、書くには骨が折れる。かいつまんで書けるような話でもない。どれもこれも割愛できない、痛い事実ばかり。徹底して書くか、さもなければ潔く書かないことを選ぶか、だ。

 今でこそ弟に遊んでもらっている感のあるラカだが、昔はラカもまた弟と遊ぶのが上手だった。小さい頃からロングスリーパーでいつまでも起きてこないラカを無言で起こしに行くのが息子の日課だった。遊んでくれるお姉ちゃんがいないとつまらないのだ。
 私もまた、ラカを年少から幼稚園に入れず、年中からと決めた。言葉も早くて陽気なラカは幼稚園に行った方が楽しかったかもしれないが、弟と母親のために家にいてもらうことにした。幼稚園には二年は行くわけだし、今は姉弟が仲良く遊ぶ姿を見ていたい、と思ったから。

 そして、次女が生まれてまもなく東京から大阪に引っ越し、ラカが幼稚園に行くようになった頃… 親にこっぴどく叱られ、床に倒れて泣いているラカの手のそばに、息子は自分のチョコボールを一粒、また一粒、箱から出してそっと置いた。まだ言葉の話せない弟は、自分をいじめて叱られた姉のことを気の毒に思ったのだろうか。早く元気になってまた遊んでほしいと思ったのだろうか。
 ラカは最初こそ無視していたけれど、床に転がるチョコボールの数が増えていくにつれ、やはり気になるようで、やがて一粒ずつ拾って食べ始め、弟が直接口に入れてやるようになった時には泣き止んでいた。ラカはチョコレートが好きだ。

 息子がオーストラリアから帰ってきたら、3人で猫カフェへ行こう。できることなら猫好きの三女も一緒に… 4人でね。


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