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先祖の因縁のはなし

誰にでももちろん先祖はいるんである。
しかし事情により皆様どんな先祖かは把握してたりしてなかったりするじゃないですか。

今生きてる個人がどうかが大事なんであって、正直先祖の御威光だけ振りかざして生きる民も個人的にはどうかと思うので、私なんか特に若いうちはご先祖様のことなどあまり気にかけずに生きていたのです。

しかしわりと私には生まれ持った先祖の因縁、もっと言えば家系的なしがらみがあったぽい。

私の先祖は関東のある地方のお城に住んでおり、お城ったって関ヶ原の合戦のときには廃城になってるような古い話なんである。
鎌倉幕府と関係ありそうな。

なぜ知ってるかというと、私の先祖である人々(お城の住民からのその子孫)だけを弔うお寺があり、それが今もあるのでわかっているのです。
しかし諸事情により私はその寺のお墓に入ることはないでしょう。むしろ死んだら骨は保管に困るだろうから捨ててもらって構わない派でございます。
それはともかく、ちょっと特徴的なその苗字を守るべく、ご先祖の皆様、関係者の皆様が奮闘してくださり今の私やその子供たちがいるのは確かです。

でね。

私いちどめの結婚のとき、相手はある地方の成金資産家の本家の長男で、特に好きでもなかったのにタイミングがよかったばかりにうっかり結婚したのですよ。

その男もその男でふつうは
「いいなと思う→交際申し込む→交際→しばらく付き合って結婚」
とかいう手順があると思うんだけども何もかもすっとばし、会って2回目でいきなり結婚してくださいときたもんだ。
諸々に疲れてた時期だったから、こっちも二つ返事で結婚したよね。
なぜこの男と結婚するのかわからないと周り中に言われながら、本人も不思議に思いながらもあっという間に結婚。

そこの家、そのときは地方の成金資産家だったけど、ちょっと前までそのへんの普通の農家だったの。
でもお盆になると家系図がばーんと出てきて先祖一覧表になってるんだけど、そのいちばん始祖に私が生まれた家の、ちょっと特徴的な苗字が書かれていたんですね〜

由来をみると、どうやら私の先祖の兄弟筋かなんかがたぶん戦に負けたかなんかしたドサクサで落ち延びてきてその土地に根を張ったんじゃないかと推察される感じでした。
かれこれ20代くらい前?
名乗りを変えたのも、戦に負けた迫害を避けるためには昔はよくあったようですし。

突然生物学の話になりますが、男子の跡継ぎにどこの国にでもこだわりがちなの、たぶんY染色体のせいだと思うのですよ。

女子→ X と X
男子→ X と Y

という性別決定の染色体を持って生まれくるのですが、ざっくり言うとY染色体は父から息子へしか受け継がれないのです。
その点X染色体はシャッフルし、父方先祖の染色体じゃなく、父由来なのは祖母方の染色体になる。
でもY染色体は必ず父から息子だから、先祖代々同じモノをいわば共有するのね。

一方で私の父はもちろん男性で、代々遺伝子受け継がれては例の寺に弔われた人々の子孫‥ではあるのですが、残念ながら残ってたのは名前だけで、その前の代あたりで男子が絶え、子孫は元々共有すべきY染色体を失っていました。

でもね〜
その最初の結婚の男の家には保存されてたんですね〜失われたY染色体が。
家系図って保証書みたいなのまでついて。

最初は女の子、次に男の子を見事産み落とし、私はまんまとY染色体を自分の家系に取り戻したのでした。
そしたらね、もう用がなくなって(まあいろいろあった)離婚し、結果的になんというか外から見たら子孫残したらオス用済みとかいう野生の王国のような結婚に‥

うっすらわかっているのは、いまは前の夫になったあの人がかなりダメなので、あの家そのものはもう絶えるということ。

その前に私の人生を大幅にコストとして消費してレスキューしたY染色体(息子)にどんな意味があるか知りませんが、ご先祖さま、とりあえずみんな元気で生きる力に満ちてます〜

たまたま私のはわかりやすかったけど、知らないうちにみなさんきっと何らかのそれぞれの家系のお役目、果たしてるものなんでしょうね。





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