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在宅酸素ラインのこと

 酸素濃縮器と私を繋ぐチューブは室内におけるライフラインの一つである。濃縮器からの径9mmほどで15m長のチューブが犬のリードのように、私の行動範囲を決める。その先端には鼻孔へ酸素を供給する1.8mほどのカニューレが繋がる。なお、酸素ボンベで外出の場合はボンベ周りとカニューレは直に繋がる。
 昨春に初めてカニューレを装着した折は、昔家で飼っていた牛の鼻木のようだと思った。鼻木=広くは鼻輪、鼻カン と呼ぶらしく、牛の鼻ピアスである。田圃の耕起や荷役では、牛に付けた綱を引っ張るなどして人間の意を伝えるのだが、牛側の綱の終端や通り道に鼻木が使われた(と、記憶する。中学生時代まで牛と同居だったのに繋ぎの詳細はどんどん遠のく)。今の私が動けるのもカニューレからの酸素次第であり、鼻木を付けている状態そのもの。
 牛のことが思わず懐かしく、せっかくだから本題を脱線。父は酒を飲んだ時などよく言った。『近くのTォゾさんは牛に詳しく、面倒を見てくれた』『〇カズよ、牛が田起こしして向こうの畔に脚かけて、お前の方を睨むようになったら気を付けなアカンぞ』『俺の掛け声では西の坂をどうしても牛が引く車で上がることができなかったが、Tゾさんは病気がちでゼェゼェ言いながらでも”チョウ・チョウッ”と牛に命令しながら綱を操ることでたやすく坂を上げてくだすった』らしい。・・・長くなりそうで、別の機会に続けましょう。
 
 本題)
 1年以上もラインに繋がっていたのに、今頃になって不満を書くのも恥ずかしいが、ま、恥はこの世のかき捨て と。
①不満としたが、元気ならDIYで家具周りを補修すればニッコリできたのに、箸より重いものを持つ気がしないので諦めている。φ9のビニールラインは吊り下げ引き戸の下部コーナーに喰い込みやすく、犬のリードのようにならない。引っ張って食い込みを外したり、あらかじめラインを束ねて食い込みを避けたりしている。戸の下にはリップというかスペーサーがついていたが、チューブと喧嘩して剥がれ始めておる。下部スペースを5mmほどに制限する木片などの「スペーサー」でも点ければ好いのだが、面倒なのである。我慢している。段差のない室内を目指して田舎普請をリフォームしたのだが、昔式のガラス引き戸なら食い込みは無かったはずだな・・・

引き戸食い込み

②酸素供給元により付属してくるカニューレが異なる。1年以上お世話になったテイジンさんからのニ***社のと、1か月前になる星さんからのア**社の径を比べると写真のように後者が1mmほど細い。酸素供給能には差異はないものの、細い後者は折れ曲がったところが潰れやすいようで、時折に手元操作パレットや本体が『酸素供給に難あり』の警告を告げてくれる。ま、慣れるしかないでしょう~

カニューレ 2種

みだし写真はちゃっかりと2年前の別ブログからの借用。2022年7月末頃、ちょうど私の田圃も出穂の頃です。亡き父は今頃になると言ったものです『出穂には火を焚け ちゅうてのぉ、それくらい暑い日が続かんとエエ米ができんのや』。


 
 
 

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