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MOTHER
なぜこんなにも女々しいのかは自分でも分からなかった
女々しいというよりも、優しすぎるというか、男らしいトゲトゲとした何かが自分からは感じられなかった
そう在りたいと思いクールを装った
母子家庭で育ったので基本的に世話をしてくれたのは叔母で毎晩夜ご飯を作ってくれていた
その頃に吐いた叔母への、ほんの少しの自分の機嫌の悪さによる晩御飯への不満を思い出すだけで、その頃の自分を思い切りぶん殴ってやりたいほどの後悔と共に、涙が出そうなほどの悔しさを感じる
母親は週6日働いていた時期があった、それが経済的な困難によるものからなのは幼稚な僕でも分かっていたが、他人の心を理解し同情するほどの人間性は持ち合わせてはいなかった。
専門学校に行きたいと言ったことがあった、具体的な説明を求められ正直なところその理由の大半が何か自分だけのものを手に入れたくて人と同じ道を歩むことを避けているだけの、皆が考えている理由だったと思う
それでも母親は最終的に「いいよ」と言ってくれた。進路相談の最終日母と担任の前で泣きながら進学を急にキャンセルした
自分の力では絶対にいけない場所に他人の力のみで向かおうとした時、とてつもない巨大な恐怖と自分自身の無力さを目の前に突きつけられた
本当にいいの?と母は言ってくれたのだが、その時の僕にはこのチャンスをチャンスと捉えることが出来なかった
その時の選択に後悔はない
親になるという感覚は未だ分からない
なぜそこまで自分ではない誰かのために何かをできるのか理解ができない。
自分には到底無理だと思う。
ただその偉大さに気づくことが出来るところまではようやくやってきたみたいなのでこんな文章を書いているのだ
叔母にも母にも、数えきれないほどの感謝がある
いつかきっと、あなたたちの育てた息子はこんな風に育ち、こんなことができるようになったと思わせられるような恩の返しを絶対にします。
他の人に、僕ら兄弟のことを自慢げに話す母や叔母の顔が好きです。