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【怪談】海沿いの更地

数年前に、ある海沿いの町の、飲み屋街にあるスナックのママさんから聞いたお話。


その海沿いの町は隣町までかなりの距離があるが街灯も何も無く、海を臨む崖路とガードレールが延び、道路を挟んでひたすら更地、その更地の奥は木々が生い茂った山だけが延々と続くというまったく人気のない地域だった。


飲み屋街で飲んだ後、隣町のビジネスホテルに戻るというお客さんが当時はかなりいたそうだ。


夜中に、その海沿いの何も無い更地付近に複数人で現れるのだという。

老若男女問わず10人前後で海沿いの更地に現れて、輪になって手を繋いでいるのだという。

街灯も無い真っ暗な道でタクシーや車から見かけるものだから、目撃した人はみんな驚くそうだ。

何をしているのか、誰なのか、どこを見ているのか、わからないがそういった光景を目撃したという人が多数いるそうだ。近隣住民や出張で来た人たち問わず目撃しているという話をよく聞くそうだ。

私は、何かの事情を抱えた生きている人たちがそういった意味不明な行動をしているのではないかと聞いたが、目撃した人たちが言うには、スゥッと消えるんだそうだ。

えっ!?何!?と通り過ぎたあとにルームミラーで確認したらもういない、もしくは通り過ぎる瞬間に薄くなって消えていくなど。

目撃した人たちは口を揃えて、間違いなく幽霊だという。


日中の目撃例が無く決まって深夜0時前後だそうで、夕方や日中の目撃例が全くないのも不思議だ。

スナックのママさん曰く、その辺は事故でたくさん人が亡くなっているらしい。

その老若男女は顔見知り同士なのだろうか。

そして彼らはそこで手を繋いで何をしているのだろうか。






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