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「ネガティブ信仰者」の厄介と、とんでもなく全開になること

*この記事は友との往復書簡日記です。

小静ちゃん、ご返事ありがとうね。
サン。こないだはせかしてしまってごめんね。あなたの心と肉体の心地よさを大切にしていなかった。返事はいつでもいいし、ただ、この手紙を受け取るだけでもかまやしないんだ。

さて今日は。
自分の中で起きたことをまとめるために、この場を貸りることにするよ。

の記事の続き。

結局わたしは、ポジティブ信仰者、高波動マニアにうんざりしすぎて、いつしか「ネガティブ信仰者」になっていたと、気がついたんだよな。

「皆がネガティブと呼ぶ感情にだって、市民権がある!」と言う怒り。人々から無視され、ウザがられてきた「恨み」、「ねたみ」、「恐れ」、「孤独」などの感情の、行き場のなさ。そのうっぷんから「過剰にネガティブな感情を優先する」なんてことが起きていた。

ウツウツし始めたなら、その感情とともに居つづけ、ずーっとウツウツしっぱなし。イライラしたら、抑制することなくナマのまんま言葉にする。態度に出す。

ポジティブ信仰者に反発し、ネガティブ信仰者に振り切っていたんだとしたら、極と極は同じ土俵の上であり、たいした違いはなかったんだろう。

わたしが避けていた、能動的に〝前向き〟になろうとすること。これだって、時と場合によっては悪くない。ふっと気持ちが沈みかけたとき、瞑想やお祈りで、意図的に気持ちを整えるのも、素敵な選択の一つだったんだ。

巷のスピリチュアリストはよく、こんなことを言ってる。
「人類は今『肉体を保ったまま次元上昇する』っていう、宇宙初の試みをやっている。これが分離から統合への流れ。
そして、次元上昇すると、統合すると、時間と物理がことごとく希薄になり、『願ったら叶う』のスピードが加速していく。いわゆる『引き寄せ』が常に起きていく」なんてことをさ。

けれど、そう言ってる人たちに限って「〇月〇日までにアセンションしないと、手遅れになるよ!」とか、「こう言う人たちが分離した人。こういう人たちが統合してる人」なんて、あせりや比較しか生まないゴリゴリの分離意識を拡散していて「結局、スピリチュアルビジネスがやりたいだけかあ」と、内心、引き気味だったんだけど。

(「お金を稼ぐこと」は大好きだし、みんな自由にやればいいと思うけど、言動の不一致感、腹と言葉の分離感に引いてたのね)

とはいえ、西洋占星術の視点で見ても、地球のアセンションや「意図したことが現実化する」流れはハッキリとある。それもあって「本当に起きていることはなんだろう」と、考えてきた。

で、わたしの出した結論はさ。全能感一色の世界はある。
いつも心は静まり返って、感謝と安心のただなかにいる状態。これがいわゆる次元上昇とか、統合とかを、実践する姿なんだろう。

だけれど、これを「持続」しようと決め込むと、とたんに分離していく。
持続を決めた瞬間、そこには、こつ然と「ねばべき」が出現し、わたし達の内側を分断していくんだ。

ポジティブを常にキープしようとする人。自称高波動の人。彼らへの違和感はきっと「高波動をいかに保つか」に躍起になって、それ以外の選択肢がないように見えたからだ。

そもそも、彼らが高波動認定しているものすらも、疑わしかったからだ。

わたしはいつも思うのだが、誰かが自分の心深くにあった憎しみなり恨みなりに、ようやく気がついて「あの人を殺してやりたいほど憎い」とつぶやくとき。つまり、今この瞬間の本音を当人が受け入れたとき。
まったく、「波動が低い」と感じないんだよね。

なぜなら、これほどの〝悪感情〟を、いっさい裁くことなく受け入れる姿こそ、このうえなく全受容に満ちているから。

むしろ、そうした〝悪感情〟を抑え込み、無理くりポジティブな言葉を使い続ける人の方が「自分に〝悪感情〟をゆるしていない」という意味で、裁きの周波数を感じてしまう。

多くの高波動マニアの違和感は、たぶんここなんだろう。

たしかに、全能感一色の状態は気持ちいい。
この状態で過ごしていると、あらゆる願いが、びっくりするような速度で叶っていく。他人が気にならなくなって、おかげで目の前の「自分事」にも集中できる。
つまり、幸福度が高い。

けれど大切なのは「その場所にい続ける」と、決め込まないことだ。

瞑想やお祈りで、心を整えること。あるいは、闇に潜ること。そのどちらを選択する可能性も、自らにゆるすことなんだ。

たとえば、静まったと思った怒りや恨みが、幾度もチラチラと浮上したならば。そこにはきっと「置いてきぼりの感情たち」が存在する。

そうした痛みの感情を、裁かず、無視せず、迎えに行ってやるのもいい。ときには、そうした声を一つ一つ拾うことをやめてしまって、ただ祈りを重ね、心を透明にするのもいい。

逆説的だけれど、きっとこうした柔軟なあり方こそが、本来の「統合」の姿なんだろう。

書いてみて思ったけれど、小静ちゃんと同じことを言ってるな。笑
自分の言葉でもう一度、咀嚼したくなったんだと思う。

あなたとのやりとりに、心から感謝して。

ラブモク

魔法の占星術テキスト『モッくまくんの星のレッスン』の著者。書籍での独学は難しいと言われる西洋占星術を、知識0の状態から読み始め、「即日使える」レベルにまで習得できるマスター本です。moccuma.net では、第一章からすべてを試し読みいただけます。