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悲しさと優しさを少々

ふとした時に思い出すことがいくつかある。

高校2年時のクラスでは、
誕生日の人がいるとプレゼントを用意して
祝うことが時折あった。

そのような機会があれば、
特別仲良い人じゃなくても、
僕も祝うようにしていた。

数人を祝った後、自分の誕生日が来た。

しかし、祝われることはなかった。

まあ別に良かったんだけど、
人知れず少し悲しい気持ちになった。

その日は、体育の授業があった。

準備運動をしていると、1人の友達が、
「今日誕生日でしょ、あいつらひどいよな」
と言ってきた。

「別に気にしてないから大丈夫、ありがとう」
と返した。

少しの優しさのおかげで、
心が軽くなったのを覚えている。


ふとした時に思い出すことがいくつかある。

数年前、友人の結婚式に出席した時のこと。

式に出席する他の友達とは仲は良かったが、
数年会っていなかった。

なので割と楽しみにしていた。

久しぶりに友達に会うと、
「少し太った?」と揶揄われた。

たしかに少し太ってしまった時期だったから
別に良かったんだけど、
少し悲しい気持ちになった。

久しぶりに会った友達の中には、
特に容姿については触れないヤツもいた。

ただ昔話と近況について話をした。
楽しかった。

思い返すと、ちょっとした優しさだったのかもしれない。


どちらの話も1年の大半は忘れている話だ。

ただ、ふとした時に思い出して、
少し悲しい気持ちになることがある。

そして、記憶の片隅に置いてある
ちょっとした優しさのことも思い出して、
少し救われた気持ちになる。

優しさは、別にどデカくなくてもいいのかもしれない。

少量でも暗い記憶にならないようにするだけの力はあるのだ。

ふとした時に思い出すことを、
ふと思い出した昨晩、そんな風に思った。