太陽光発電システムでパワーコンディショナーを交換しない場合のリスクと対処法について
太陽光発電事業を継続していくと、5年や10年経過するとともにパワーコンディショナ（パワコン）も経年劣化して故障のリスクが高まります。しかし、パワコンがまだ使用可能な状態であっても、交換を先延ばしにしてしまう人がいるかもしれません。しかし、パワコンの交換を遅らせることは、いくつかのリスクを招きます。そこで、本記事では、パワコンを交換せずに使い続けるとどのような問題が起こるのか、交換時期の目安や手続き、費用について詳しく解説します。パワコンの交換時期や方法について分からない人は、是非参考にしてください。
パワコンを交換しないとどうなってしまうのか
①使用期間が長くなると、パワコンの劣化による故障の可能性が高まる
パワーコンディショナーは10～15年が耐用年数であり、保守点検や交換を怠ると経年劣化による故障リスクが上昇します。内部の回路や半導体、配線が少しずつ劣化していくため、故障する可能性が高まります。また、フィルターの掃除を怠ると内部の冷却を行えず、耐久性の低下や故障の原因となります。
変換効率が低下していく可能性
5年や20年以上もの長期間にわたって、同じパワコンを使用し続けると、太陽光パネルから発電された電力を交流に変換する際の効率が下がります。新品のパワコンの変換効率は通常96～98％ですが、年数が経つにつれて、効率がわずか数パーセント低下することがあります。このため、売電収入や電気料金の節約額に影響を与える可能性があります。パワコンを定期的に交換することで、発電量を維持し、より効率的な太陽光発電を行うことができます。
突然エラーコードが表示される可能性
パワコンを交換しないで使用し続けると、ある日突然エラーコードが表示される可能性があります。エラーコードは、経年劣化や保守点検不足などで故障が生じた場合に表示され、取扱説明書で内容を確認することができます。エラーコードが表示された場合は、迅速に対処することが必要です。
パワコンの交換工事費用は？
パワーコンディショナの交換には、30～40万円という高額な費用がかかります。もし保証期間内に交換をしなければならない場合でも、費用は無料にはなりません。一方、修理を行う場合は、5～10万円程度で済むことが多いため、費用を抑えたい場合は修理も視野に入れることができます。
しかし、パワコンを交換する場合には、単に本体価格だけでなく、交換工事費用も考慮する必要があります。一般的に、交換工事費用は約半分程度の費用がかかります。そのため、見積もりを比較する際には、工事費用やその他の費用項目も確認することが大切です。
また、パワコンの交換や修理をする業者を選ぶ際には、信頼性や技術力なども重要なポイントです。費用だけでなく、業者の評判や実績をしっかりと確認してから、最適な業者を選びましょう。
太陽光発電の施工・点検業者へ問い合わせ
もしパワーコンディショナーが調子が悪く故障している場合は、太陽光発電のO＆M業者に連絡し、現時点での設備状況を確認してもらうことが必要です。O＆M業者とは、太陽光発電システムの定期点検や保守運用などを請け負っている専門業者のことです。
ただ単にパワーコンディショナーの故障だけでなく、他にも不具合がある可能性もあるため、現在の状況を正確に把握することが非常に重要です。そのため、O＆M業者と契約し、定期点検や保守運用などのサービスを受けることをお勧めします。これによって、問題があるかどうかを正確に把握し、必要に応じて修理や交換などの適切な対応を行うことができます。
専門業者による点検の結果、パワーコンディショナーの交換が必要と判断された場合は、修理交換を専門とする業者または交換を請け負っているO＆M業者に相談することが必要です。
太陽光発電設備の設置交換工事には、電気工事士や施工管理士、施工IDなどの資格が必要です。そのため、交換工事を依頼する際には、業者が取得している資格やパワーコンディショナーの施工実績などを確認することが大切です。これによって、適切な業者に依頼し、安心して交換工事を行うことができます。
パワーコンディショナーの交換業者は、まず依頼者と打ち合わせをし、その後現地調査を行います。
修理交換業者の担当者は、太陽光発電所を訪れ、パワーコンディショナーの状態や破損状況、修理可能かどうか、または交換が必要かどうかなど、詳細を確認します。
もし交換が必要な場合は、交換工事に必要な見積もりを作成し、契約手続きを進めるかどうかを検討していくことになります。このように、パワーコンディショナーの交換には、しっかりとしたヒアリングや現地調査が必要であり、正確な見積もりと契約が求められます。
交換工事に必要な手続きを終えた後は、担当者と相談して交換工事の日程を決定します。施工当日は、パワーコンディショナーの交換と配線の接続作業を半日または1日かけて行います。
パワーコンディショナーの本体発注から手配までには、通常2週間程度かかります。場合によっては、1か月以上かかることもあります。したがって、交換工事を検討する際には、年末年始を避け、できるだけ早めに依頼することが重要です。
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