趣味(仕事)について思うこと

 これは私個人の考えで、誰かに同意されたり誰かの意見を否定するために書いてるのではなく、今日思ったことを書いてまとめてすっきりしたいから書いてるだけです。

 すこぶる私事ですが、2017年の暮れからスケートを習っています。もうすぐ始めて2年になります。きっかけは平昌五輪に感動したこと、小学生のときに夏季や冬季など短期のスケート教室には通っていた経験などでしょうか。子供の頃はすごく習ってみたくて、白いスケート靴に憧れて、でもそれがすごく高価なことは知っていたし、親に、勉強に関係のない習い事をしたいと言っていいのか分からず、言い出せないままで、気付いたら大人になっていました。その夢を今なら自分のお金と采配で叶えられると思いました。
 その冬、早速スケート教室のあるリンクをいくつか巡って大人向けの教室に申し込んだのですが、リンク側からは教室は常に満員で、ウェイティングリストに載せてあげることはできるけど、数ヶ月か半年か、どのくらいで空きがでるか分からないと言われました。しょうがないのでとりあえずそれらの教室は空きがでるまで待つことにして、家から二時間かかるリンクの土曜夜と日曜早朝の教室両方に通い出しました。一人暮らしの自宅からは遠すぎて、早朝教室には間に合わないので、土曜夜は、自宅よりはリンクに少し近い実家に泊めてもらって、朝4時半に起きて通いました。
 通い出したときの高揚感は忘れられないです。自分のお金で27,000円の初心者用の白いスケート靴を買って、それをこれまた新しく購入した好きな選手とあるブランドがコラボしたモデルのリュックにいれて背負って、夜も明けない、まだ見慣れない街を、駅から25分歩いてリンクに向かっていくとき、幸せで幸せで、氷の匂いが恋しくて、早起きしているのに、いつも興奮が勝ってあっという間に目が覚めていました。
 もちろん、続けるうちに楽しいことばかりではなくなりました。教室は、下から初心者、初中級者、中級者…と段階ごとにクラス分けされていますが、次のクラスに上がるタイミングは先生が「あなた次のクラスに上がっていいよ」と肩を叩いてくれることで決まります。自分がまだまだな自覚はあり、同じクラスの方がこのクラスでできることはもうないくらい上手になっているのが見てわかっていても、誰かが肩を叩かれていると羨ましくてしょうがなく、自分が上達する気配がないように思えて、帰り道に悔し泣きすることもしょっちゅうでした。これは2年経つ今も変わっていません。人目に触れないよう注意を払いながら泣いてますが、36歳のおばさんがジャージ姿で道で泣いているのでホラーだとは思います。
 元々私は体育の成績がよくなく、小学生では必ず「もう少し」、中高では「1」か「2」でした。ドッチボールではチーム分けでため息をつかれ、飛べる跳び箱は一段もなく、持久走大会はほぼビリでした。だからただ教室だけに通っていても絶対にうまくはなれないと思い、スケートと同時にピラティスに通い出しました。よくピラティスとはどんな内容なのかと聞かれるのですが、要は姿勢を整えるための筋トレを行います。ここでもクラスの皆さんができている腹筋の動作でさえ、どこに力を込めても起き上がることができなくてマグロのように床に横たわったままになったり、インストラクターさんに動作が正しくないと厳しく注意されたり、自分をかっこわるいな、みじめだなと思うことはよくありました。土曜日夕方からリンクで自主練、夜の教室、日曜早朝教室、午後にピラティス、という週末が毎週毎週続いても上達がみえないときは好きなことをやっているはずなのに落ち込みました。
 しかし、気落ちしても自然と湧いてくるのは、スケートを上手になりたいという一心です。ピラティスしんどい、やりたくない→じゃあやめる?→いや、スケート上手になりたい→じゃあ上手くなるためにピラティスもやろう。のループでした。『上手に滑れるようにならないなら死んだほうがマシ』いつしか、落ち込むたびに自然に頭に浮かぶようになった標語です。この思考が、私特有のものかなと思っています。
 脱線しますが、仕事でも、ほぼ近い標語を掲げて働いていたことがあります。前職で30を過ぎてから異動になり、初めて関わる業種のチームに配属されたとき、全く仕事についていけず、同い年の先輩に毎日、「これはバカのすることだよ」「なんで何回言ってもできないのかな」と怒鳴られながら、先輩がテーブルをペンで感情的に叩くのですが、そのときも、先輩に反発心や苦手意識を持っちゃだめだ、指導していただく姿勢を貫こうと、『仕事ができるようになるなら誰の靴だってぺろぺろおいしいです!って舐めよう』という標語が頭に浮かんでいました。先輩や上司に媚へつらうコツを学ぼうとアメトーークの「太鼓持ち芸人」回を観たりもしました。この自分の思考や対処法にはつっこみどころしかありませんし、その後11ヶ月で音を上げて退社してしまいましたが、その11ヶ月に身についたものに助けられて今働いています。
 スケートではその他、手首と背骨を骨折していますし、技術面では現在セミサークルという技でつまづいています。仕事は転職してもそこそこ忙しく、平日は基本13時間勤務、土日に持ち越すことも、深夜や朝まで働くこともあります。
 人によっては、私の趣味や仕事について聞くと、なんでやるの?どうなりたいの?トリプルアクセルとか飛べるの?(女子で跳べると世界の国際大会で認定されたのは通算10人です)とか、そんなによく働くね?とか、つまんないことを言われますが、ただ、殺すぞ、と都度思ってます。

 とにかく私は、諦めが非常に悪く、全く向いてないことでも、目標を決めて、目標までの距離を努力で埋めていくことが苦にならないタイプなんだと思います。不器用で無様で下手の横好きですが、この性質のままに、趣味(仕事)を楽しんでいきたいと思っています。高校時代、美術の先生に「謙虚に大胆に描きなさい」と言っていただいたことがあります。その言葉が近いかもしれません。「謙虚に=自分の身の程を知る」「大胆に=しかし身の程にとどまらずに本気で楽しむ」と解釈しています。
 拝読ありがとうございました。

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