記事「半沢直樹に見る「日本の取締役会」への違和感」についての考察

https://signifiant.jp/articles/signifidan-board-1/

そもそも、海外思想のMBA的観点で日本の会社を捉えるべきではないと思います

複数社で働いてきたコンサル受ける側の現場感から言うと、中小企業にて外部の経営コンサルタントが教科書通りの正論を言っても、机上の空論、綺麗事と揶揄されて全く響きません。MBAで勉強する事は「べき論」のひとつのモデルに過ぎなく、経済学が情動を持った人間とはかけ離れている合理的経済人をモデルとしている理論体系であるように、ビジネスにおけるそれらの正論は一部のソフィストの理想であると思います。

また、株式会社という形態についても、日本は歴史的に株式持ち合いなどで、オーナーシップを正当に機能させてこなかった分脈や前提があり、経営陣は「自分の地位を守り、怒られないためにはどうするか」が一番の関心事だったんだと思います。

そもそも、建国から移民の国、ダイバーシティが前提である資本主義国のビジネスフレームワークを、日本という島国の「和を重んじる、暗黙の了解、長い物には巻かれろ、村八分」などの文化のある国に、そのまま転用するのは難しく思います。

経営学も経済学と同じでフレームワークの理屈は理解しておいた方が拠り所としては安心ですが、現場ではそのまま使えず一つの目安にしかならないのかもしれません。それなら心理学や認知科学、ナショナリズムなどを勉強し、対話しながら時間をかけて実践していく方が、現場に即していて喜ばれるのではないかと思います。また、残念ながら、そこで培った方法論は他に転用できないユニークな理論になります。業種業態や規模、家族経営か否か、オーナー社長か否か、都市か地方か、老若男女の比率などで全く違うものになると思います。

自身、起業準備で経営(コンサル)の勉強しながら、中小企業でつなぎでお勤めさせていただいてると、職場の皆さんが経営学や基本的なビジネスフレームワークを勉強してくれれば話が早く、業務の改善や効率化なんて簡単なんだけどなと、つくづく思います苦笑。勉強嫌いで男気や情を重んじる、ワイルドでカッコいい土建運送事業ですから、仕方ないのはわかっていますが、、(僕も以前はそうだった様に、、)。

話広げ過ぎましたが、良い年末のカタルシスになりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?