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流行サイクルの使い分け

概要

「ハイプサイクル」は供給者視点、「イノベーター理論」は消費者視点でサービス・モノ・技術の需要と成熟度を整理しやすいです。

ハイプサイクル(hype cycle)は技術の成熟度、社会における活用度をあらわす図解であり、ガートナー社が提唱するものです。ハイプサイクルは5つのフェーズで構成されています。

  1. 黎明期(技術の引き金、Innovation Trigger) - ハイプ・サイクルの最初の段階は、「技術の引き金」またはブレークスルー(飛躍的前進)から始まる。新製品発表やその他のイベントが報道され、関心が高まる。

  2. 流行期(過剰期待の頂、Peak of Inflated Expectations) - 次の段階では、世間の注目が大きくなり、過度の興奮と非現実的な期待が生じることが多い。成功事例が出ることもあるが、多くは失敗に終わる。

  3. 幻滅期(幻滅のくぼ地、Trough of Disillusionment) - 技術は過度な期待に応えられず急速に関心が失われ、「幻滅のくぼ地」に入る。そしてメディアはその話題や技術を取り上げなくなる。

  4. 回復期(啓蒙の坂、Slope of Enlightenment) - メディアでその技術が取り上げられなくなった一方、いくつかの事業は「啓蒙の坂」を登りながら継続し、その利点と適用方法を理解するようになる。

  5. 安定期(生産性の台地、Plateau of Productivity) - 広範に宣伝され受け入れられるようになると、技術は「生産性の台地」に到達する。その技術は徐々に安定し、第二世代、第三世代へと進化する。その台地の最終的な標高は、その技術が広範に適用可能かあるいはニッチ市場のみかによって、様々である。

イノベーター理論とは1962年にスタンフォード大学のエベレット・M・ロジャース教授が提唱した、消費者の購買姿勢を5つのタイプに分類したものです。供給者側の視点で捉えると、どの程度利益を生み出す製品・技術であるかを知る目安となります。

製品技術が出始めた黎明期の頃、新しいものが好きな消費者(イノベーター:2.5%)が興味を持ちます。市場の知名度が広がるとともにオピニオンリーダーと呼ばれる感度の高い消費者(アーリーアダプター:13.5%)が手を出し始めます。双方の消費者層に受け入れられなければ、これ以上の市場開拓は期待できないため、ロジャースはこれを「普及率16%理論」と呼びました。

イノベーター理論をベースに、マーケティングコンサルタントのジェフリー・ムーアは、アーリーアダプター(他社に先んじる)とアーリーマジョリティ(他社に遅れを取らない)の間にはキャズム(絶望の谷)が横たわっていることを指摘しており、これを境に市場から消える技術や製品が多く存在します。

アーリーアダプターが手を出す対象は世間的な流行を伴うことが多いですが、その他多数派層への横展開時期を見誤ると、そのまま衰退してしまいます。

流行サイクルの使い分け図

参考書籍

ハイプサイクルとイノベーター理論は、『フレームワーク使いこなしブック』(日本能率協会マネジメントセンター)で詳しく解説しています。この本は、新人の東むぎ夫がフレームワークを使って課題を解決していくストーリーを追いながら、フレームワークを学べるしかけになっています。「わかる」レベルから「使える」レベルに無理なくステップアップできます。

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