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ロジカルシンキングのフレームワーク図解

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ロジカルシンキングで使われる考え方のフレームワーク(思考の定石)を紹介します。
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#フレームワーク

費用対効果と投資対効果

概要わかっているビジネスパーソンはちゃんと使い分けて喋ってます。 支出を止めた時点で利益も見込めなくなる対象について、発生する費用と得られる効果のバランスを判断する言葉として「費用対効果」を用います。ある単位あたりで得られる効果に着目します。コストパフォーマンス、またはコストエフェクティブネスと呼ぶこともありまる。 支出を止めた後も継続的な利益が見込める対象について、将来への投資とその効果のバランスを判断する言葉として「投資対効果」を用います。一定の期間の範囲で得られた正

真実と事実の関係性(真実はいつも1つ…ではない)

概要見た目は子どもで頭脳は大人な少年が「真実はいつもひとつ」と主張していますが、じつは真実は人の数だけ存在し、事実こそがいつもひとつでした。 国語辞典で「真実」を調べると「ほんとうのこと」と書かれています。しかし、真実とは人が事実を解釈した結果であり、同じ事実であっても人によって解釈が分かれることもあります。つまり、事実はつねに1つですが、真実は背景の解釈を含むため、人の数だけ存在しています。 参考書籍考え方をモデル化したビジネスフレームワークは『フレームワーク使いこなし

「改善して」と言われたときにやること:ECRS

概要現状を改善することがうまい人はこういう発想をしています。 ECRS(イクルス)とは、業務改善のように今あるものを良くするための、取り組む順番と視点を整理したものです。ECRSは、Eliminate(排除)、Combine(結合と分離)、Rearrange(入替えと代替)、Simplify(簡素化)の英語の頭文字をとって呼ばれています。 E→C→R→Sの順番に取り組むと、改善の効果を出しやすく、トラブルも最小にできます。かつては製造業の現場で使われていたこの手法は、今で

リサーチ理論:たまねぎモデル

概要論文を書いているすべての人に知ってもらいたい、研究するときに用いる手法を体系整理したモデルです。 たまねぎモデルは正式には「Saunders' Research Onion」と呼びます。Saunders (2007) によって発表されました。これは、研究のための効果的な研究方法論を開発するためのガイドラインを研究者に提供する、広く使用されているモデルです。作者が使用しているフィギュアがタマネギによく似ていることから「リサーチオニオンモデル」と名付けられました。下の図は、

平均値と中央値

概要分析の視点が間違っていると平均値と中央値は驚くべき数字を示します。 本来はこのように用います。 参考書籍平均値と中央値を含めて、ヒストグラムを『フレームワーク使いこなしブック』(日本能率協会マネジメントセンター)で詳しく解説しています。この本は、新人の東むぎ夫がフレームワークを使って課題を解決していくストーリーを追いながら、フレームワークを学べるしかけになっています。「わかる」レベルから「使える」レベルに無理なくステップアップできます。 ファイルのダウンロードこの記

反復サイクルの使い分け(PDCA/PDS/OODA/TECA/DCAP/自虐的/北九州的)

概要この3つでほとんどの行動計画に対応できます。 行動計画とは、なにかを実行するときにあらかじめ立てておく計画のことです。大局的に考えるときはPDCAサイクル、それを実務に落とし込む際にPDS、さらに現場の即応業務に用いるOODAループを使い分けると、やることを仕組み化して品質を向上させることができます。 PDCA(ピーディーシーエー)は次の4つのプロセスで構成されます。このサイクルの利点は、評価に基づく改善を最初から予定に組み込むことができることです。注意点は、プロセス