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 苦しいときに滝行したくなる気持ちが分かった。
 何かを得たいとか、何かを消したいとか、そんなことではなく、とりあえず目の前の苦しみから目をそらすための、もっと苦しいことを欲してしまう。
 朝焼けは残酷だ。
 新しい一日の始まりのカウントダウン、問答無用でまもなくきょうが始まるぞと告げられているような、絶望的な気持ちになる。
 白い息を吐きながら駅へ向かう。
 改札機へスマホの先っぽをくっつけるところを想像する。
 朝は、見聞き触れる何もかもが始まりだから、いやだ。

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