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 子供の頃、押し入れの中で何度も繰り返し読んだ、『寝台特急おばけトレイン』。
 懐中電灯で照らしながら一行ずつ読んでいくと、狭い押し入れはガタゴトと揺れた。
 儚い思い出に浸る僕の頭を、枕辺さんは紙の束でぽんと叩いた。

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