見出し画像

1/20

 幸せが、すぐそこにスタンバっているはずだった。
 成功が他人の憎しみを生むなんて知らなかったけど、僕自身の自覚では、ここは最高到達点ではない。
 あけすけに言ってしまえば、妬まれる筋合いもないし、妬まれるようなことを成したわけでもないし。
 こんなことで足を引っ張られるなんて、なんとこの世は優しくないのだろう。
 ぶーたれながら、海を睨む。
 出る杭のごとく砂浜にぶっ刺さった枝を、石で叩いて埋めてみた。
 想像するまでもなくつまらなくて、時間の無駄の極みだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?