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お嬢様女子校に、くたびれた成人男性がふたり。
潜入捜査のつもりで来たけど、どう見ても僕たちが不審者だった。
「あの……僕もう帰りたいんですけど」
女子生徒たちがギョッとして振り返るたび、清楚な黒髪とシックなセーラー服のえりが、ふわりと揺れる。
男子禁制の神聖なる学び舎の床に這いつくばって捜査するのと、パンチパーマの男たちに囲まれてメンチを切られるなら、後者の方がまだマシな気さえした。
「仰げば尊し、名無しの探偵の恩。卒業式にはきっと皆涙するよ」
「……頑張るしかないですね。見事解決するか、自分が事案になるかの二択ですから」
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