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 夜明けと共に、恐怖も悲しみも、引き潮に呑まれて消え去ってしまった。
 心のなかにほんのりと残ったのは、怒り、だったものの残骸。
 全てを支配され、制御不能になってしまったと思われたこの感情も、美しい朝焼けのなかで見れば、ひどくちっぽけなものだ。

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