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 まあ、こんな間抜けな罠に引っかかってしまったのは、『ナメていた』からに他ならない。
 いくらなんでも、貴重な歴史的建造物ごと爆破するようなことはないだろう……と、思い込んでしまったのだった。
「なんか、自分はほんとに平和な国の生まれだったんだなって、実感してます。こんな殺されそうなのにまだ、根拠のない楽観で、誰か助けに来るんじゃないかと思ってるんですよ。死ぬことが縁遠い。実感が薄い」
 枕辺さんがわははと大声で笑うので、僕はギョッとした。
「やめてくださいっ。早めに殺そうとかなったらどうするんですか」
「平和ボケに種類があるとしたら、俺は、死に対して浅慮なタイプだな」
 ドラマと違って、時限爆弾に、残り時間を表示する機能はない。

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