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奥野じゅん
2024年1月31日 09:53
それはいかにも、神にも閻魔にも見放されてしまったような、干からびた土地だった。 本当にこんなところで、取引が行われるのか? 身を隠せるような場所もなく、弥山は心細く思いながら、その場にしゃがんだ。
2024年1月30日 10:59
明けの空、針葉樹の向こうに、うっすらと日の出が透けて見える。 朝だ、と、心が震えた。 状況はなにも変わっていないのに、日が昇るだけで、なんとかなるんじゃないかという気がしてくるから不思議だ。
2024年1月29日 02:05
国民集会の様子だとして提示された写真は、いかにもプロパガンダの典型というような、不自然に活気が強調されたものだった。 競技場の写真を、じっと見る。異様に彩度が高く鮮やかで、しかしピントや焦点といった類のものがなく、奥行きが存在しないような平べったい印象を受けた。 この写真を見せれば他国を欺けると信じているという、そのことが信じられない。 仮に独裁者が『この写真を撮れば諸外国に繁栄をアピール