若年欠神てんかん

未治療で日単位より少ない頻度の欠神発作。発作以外は正常で脳波は3-5.5Hz全般性棘徐波複合。全般性強直間代発作は90%以上でみられ、一般的には欠神発作後すぐに生じる。ADHD、学習困難、不安、うつ病が生じることがあるが、発達や認知は通常正常。

9-13歳発症が多いが8-20歳まで幅広い。CAEに比して発作頻度が少ない。い意識減損もCAEに比して不完全なこともある(命令に反応できるが、複雑な作業は無理)。時間は5-30秒でそれより長いこともある。頻度は日単位より少ない。
欠神発作重責は20%、全般強直間代発作は90%生じる。
散発的なミオクロニー発作は20%。
発作は欠神で口部自動症を伴うこともある。
CAEやJMEより頻度は少ない。

重積は自然に起こることもあるが、断薬、不適切な治療(カルバマゼピン)によって誘発されうる。

脳波
発作間欠期

背景活動は正常。3-4Hz(範囲3-5.5)の全般性棘徐波がみられ、睡眠中に断片化することある。断片化したら焦点性、多焦点性にみえることもある。断眠で棘徐波は増強。てんかん性放電はCAEよりJAEで高頻度。未治療なら過呼吸で87%欠神発作が誘発される。光刺激で25%が全般性棘徐波が誘発。
CAEでみられるOIRDAは見られない。
発作時
3.5-5.5Hzの全般性棘徐波が欠神発作の起始でみれる。組織化不良の放電は発作時はJAEはCAEの8倍多い。

遺伝
遺伝的検査はルーチン診断に含まれない。家族歴は時に存在し、り患した家族成員は通常IGEを有した。遺伝様式は多遺伝子遺伝、知的能力障害、薬剤抵抗性がある場合は遺伝子検査を考慮。

認知機能は正常。薬剤反応性あるが、生涯にわたって治療が必要。

治療
VPAが第一選択(75% 欠神抑制) こうかなければ ESM(欠神にはよいが他の全般発作にいまいち)併用
女性はLTG(50-60%抑制 ミオクロニー発作を増悪させるかもしれない)
VPA、ESMはLTGより有効。
CBZ、GBPは欠神発作を悪化させる可能性あり
クロナゼパム、クロバザム、アセタゾラミドは2ndライン
LEVは欠神発作を増悪させるかもしれないが、とまりにくい欠神発作に有用なこともある。使用するとしたら欠神をターゲットではなく、全般性強直間代発作がターゲット。
トピラマート単剤は欠神には無効
フェニトイン、フェノバルビタールも無効。

JAEはCAEと違い、全般性強直間代発作の合併が多いので、VPAかLTGで開始。

鑑別
CAE:年少発症、欠神発作を毎日起こす。全般強直間代発作のリスクは低い
JME:ミオクロニー発作がある。朝方睡眠不足で生じやすい。
眼瞼ミオクロニーを伴うてんかん:反復的な4Hz以上の眼瞼攣縮、眼球上転、頭部後屈を伴う場合に考慮。光感受性あり。
ミオクロニー欠神発作を伴うてんかん:欠神発作時に両上肢に3Hzのミオクローヌスに加えて進行性挙上を伴う
焦点意識減損発作:持続が長い30秒以上、もうろう、傾眠、頭痛などの発作後症状、脳波では焦点性のてんかん様放電


若年の特発性全般の方は内服コンプライアンスが悪めの印象もあるが、ADHDを合併しやすいということと関連があるのでしょうか?

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