てんかん分類

国際抗てんかん連盟(ILAE)による分類
1981年発作分類
1989年てんかんとてんかん症候群分類
2017年てんかん発作型の分類、てんかんの分類
2022年てんかん症候群

旧分類の限界
1.全般発作と分類されていた発作型の一部に部分起始発作もありうる、かならずしも明瞭な区別ができない。
2.症候性てんかん症候群のある種の症候群では部分発作と全般発作が併有することがよくあるので、その場合てんかん病型の分類が困難
3.症候性あるいは潜因性に分類されていたてんかんで遺伝子異常が明らかなってきた。

2017年てんかん発作型の分類、てんかんの分類
 部分発作→焦点起始発作
 全般発作→全般起始発作
 未分類発作→起始不明発作

発作型は症候学+脳波他で判断
 EX.ぼーっとしてすぐ回復(動作停止発作)+側頭部spike→焦点起始発作 
    EX.ぼーっとしてすぐ回復(欠神発作)+全般性3Hz棘徐波複合→全般起始発作

3つの診断レベル
1.発作型:焦点起始発作 全般起始発作 起始不明発作
2.てんかん病型:焦点てんかん 全般焦点合併てんかん 全般てんかん 病型不明てんかん(6つの病因も言及 構造的、素因性、感染性、代謝性、免疫性、病院不明 ※1989年では特発性、症候性、潜因性で表現)
3.てんかん症候群 
 


特発性全般てんかんは素因性てんかんの中に含まれ、小児欠神てんかん、若年欠神てんかん、若年ミオクロニーてんかん、全身強直間代発作のみを示すてんかんが含まれる
これらの4つの診断基準は満たさないが欠神発作、ミオクロニー発作、ミオクロニー間代発作、全身強直間代発作のうち1つもしくはその組み合わせを有して2.5-5.5Hzの棘徐波複合を有する場合は全般性素因性てんかんに分類される。

発作型分類


病因分類(発作型、てんかん病型、てんかん症候群いずれのレベルでも検討する)
1.構造的病因
神経画像検査で構造異常があり、脳波・臨床的評価と画像検査所見を併せて総合的に画像検査の異常所見がてんかん発作の原因である可能性が高いもの。海馬硬化、Rasmussenn症候群、片側けいれん・片麻痺・てんかん症候群など
後天性と素因性がある
後天性は低酸素脳症、外傷、感染、脳卒中など
皮質形成異常は素因性や子宮内サイトメガロ感染など後天性もある

2.素因性病因
遺伝子異常がてんかん発症に大きく影響。素因性の関与が示唆されるてんかんは非常に多様だが、その多くは原因遺伝子不明。
常染色体優勢疾患の家族歴に基づいて素因性てんかんが推定さっる場合がある。
大半の遺伝子で表現型で多様性を認める。大半の症候群で遺伝学的多様性が認められている。
素因性(genetic)と遺伝性(inherited)とは同義でない。denovo 変異が多くそれは素因性。浸透率のことも考慮必要
3.感染性病因
先天性感染症(神経のう虫、結核、HIV、脳マラリア、亜急性効果生前脳炎、脳トキソプラズマ症、サイトメガロなど)や後天性(ウイルス性脳炎など)がある
4.代謝性病因
ポルフィリン症、尿毒症、アミノ酸代謝異常、ピリドキシン異常症など。特異的治療により予防できることがあるので、代謝性病因の同定は極めて重要
5.免疫性病因
抗NMDA受容体脳炎、抗LGI1抗体脳炎など
6.病因不明

てんかん症候群


成人の場合は発作型→てんかん病型(要因も検討)→てんかん症候群という流れ?高齢者に多い印象の脳卒中後てんかんは分類されない?

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