紙とペン

白い紙に書き殴った夢は何処に行ってしまったのか
ペンはあるはずなのに、持つ手はいつの間にか消えた
紙なんかいくらでもある、書かないのは何故だ

現実に希望を見出せなくなったからか

希望を持つ事に不安を覚えたからか

不安を感じる事に恐れているからか

『夢はでっかく持て』

いつかの教師は言った
あの時はその言葉を信じて馬鹿正直に何でも取り組んだ
不安や葛藤なんか何一つ無かった
ただひたすらペンを動かして、未来を描いていた

ただ、年齢を重ねれば重ねるほど、ペンを持つ回数は減った。
その代わりに、あの時にはなかった不安や葛藤や恐怖が生まれた。

そしていつしか、ペンと紙だけが残って、手は失った。
あの日から、何が変わったんだろうか。

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