考え事と缶酎ハイ

9%のアルコールを流し込んだ。

明日の事を考えたくなかったから。

記憶を飛ばすまで飲んだ事は何回かあるが、飛ばしたいと思って飲んだ事は一度もなかった。

なかった。

過去形、つまり今日は記憶を飛ばしたかった。

22年間生きてきて辛かった事は何度もある。
祖父母の死。最愛の彼女との別れ。仕事。数えたらキリがない。

では今日は何故。

答えは明確だった。

仕事。

日々の業務に加えて今日からまた新しい業務が始まり、自分の中のキャパシティが限界を超えてしまった。
仕事をこなす上で効率は大事だし、昇進を考えれば業務が増えるのは必然だとは思う。
それでも、人にはキャパシティというものがあって、満足にこなせる範囲は決められている。
その範囲を超えてしまっては、円滑に業務をこなせなくなってしまう。

加えて、どれだけ仕事量が増えても給料が上がるのは年一回。それも5千円程度。日々の頑張りを年一回の5千円程度で済まされてしまうのだからやる気など失われて当然。
ましてや自分より作業をしていないのに、自分の倍以上の給料をもらっている50手前の社員を見ると苛立ちが止まらなくなる。

そんな今日だった。酒に力を借りて、今日のことはなかった事にしよう。そう思った。

明日からはどうしようか。



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