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2023年の振り返り

株式会社日東社5代目アトツギ予定の大西潤です。
写真にあるように株式会社日東社は2023年12月に会社設立100周年を迎えました。
(創業1900年、設立1923年)
激動の1年間だったので振り返りを記したいと思います。

昨年の振り返り
2022年の振り返りと2023年の抱負

100周年という記念すべき年でしたが、「祝う」というより「次の100年に向けたスタートライン」と言える1年だったかもしれません。

■経営計画発表会

・MVV共有会

従業員満足度調査で課題となっていた経営理念の浸透に向けて、2022年末にをプロジェクトを立ち上げて再策定しました。

昨年の経営計画発表会もコンテンツをガラッと変えましたが、今回は事業計画を伝えるだけでなく、策定したMission・Vision・Valueの共有会も同時に行いました。

・エデュテイメントなプログラムに

管理職が一方的に戦略を語るのではなく、ワークやクイズ、他社事例も交えながら行いました。
結果としてアンケートでは、「和気あいあいと活気ある場だった」「テーマパークなどわかりやすく身近な例で説明されて頭に入りやすく理解しやすかった」
とプラスのコメントも。


■事業譲渡

しかし、この経営計画発表会開催日の10日前に、事業譲渡が決定していました。
これまで日東社はマッチに関して事業の買収はありました。

現在、マッチの一貫生産をしている企業は日東社を含めて2社のみ。
同業他社の商標を自社ブランドで生産・販売したり、OEMの依頼を受けて生産しています。
また、数社から従業員の受け入れ依頼もあり、今頑張って働いてくれています。

約50年前、マッチ事業が衰退すると3代目は予知して、社名を日東社燐寸製造所から日東社へ変更しました。

日東社の沿革
そして、広告マッチに加えて、名入れライターやポケットティッシュなど販促品の製造販売へ事業多角化しました。
また、まったく別業界であるノアインドアステージを設立しました。

社史を振り返るとこの時期が第二創業と言えます。
マッチ会社で業界トップレベルだった会社がマッチ事業に固執して多角化をしなかったため倒産したという話も聞いています。

・事業譲渡までの経緯

2022年夏頃からM&Aを考えだしたと社長から聞いています。
当初は上場を目指していたため、予算達成は必須ですし、成長戦略も描かないといけませんでした。(いまは目指していません)
ポケットティッシュやウェットティッシュといった販促品や飲食店用の紙おしぼりがコロナによって大打撃を受けました。
駅前でティッシュは配られなくなりましたし、おしぼりがない飲食店も増えてきていますよね。
さらに、各国での異常気象の影響や、ウクライナ情勢の悪化で原材料費の高騰は止まりませんでした。

だから値上げ攻勢をかけたかったのですが、なかなか取引先に了承を得られません。
付加価値をつけにくい商品ですから機械を多く持っている同業他社に価格で勝てていませんでした。

予実管理を強化するために私が講師となり営業研修も行いました。
それをしていても
・値上げすると取引が減りそう
・新商品がないと営業に行けない
・新規顧客開拓は難しい
などマイナスの声ばかり。

売却先から声が上がったのが23年2月ごろでした。
ですので、Mission・Vision・Valueは策定終わっていますし、経営計画発表会の準備も始まっていました。
経営陣以外に口外してはいけないので、これをストップするのはできませんでした。

そして、譲渡決定したのが3月31日。
譲渡日は7月31日で、従業員に告知するのはその2ヶ月前と言われました。
それまで従業員にどう接しよう、と悩みました。


・告知日

譲渡の告知日には譲渡先の社長もお呼びして会を開きました。

譲渡先のお知らせページ

質疑応答が殺到するとみてその後アンケートを記入してもらいましたが、心が痛む文面ばかりでした。

だからこそ、この譲渡で分かれることとなったお互いがWin-Winの関係になろうと誓いました。

■下半期

事業譲渡が終わった8月から新体制がスタートしました。
まず、変えた一歩目として幹部6名での会議を週次で行うことにしました。

この会議をやり始めて4ヶ月ですが、非常に意味がありますね。
やり始めた9月の議題は下半期経営計画発表会の開催について。
残った従業員は自分たちが携わる事業はどうなるのか不安の塊だったでしょうから、開催の目標としては「不安をできる限りゼロにする」でした。

・下半期経営計画発表会

この発表会もさらにやり方を変えました。
まず、5~7人のグループで座ってもらうように。
ディスカッションの機会を取り入れることで盛り上がりがあったなと。
数字の細かな説明も初めて行いました。
売上、原価、粗利、販管費、営利という言葉の内容を説明し、今後も毎月この数字を公開すると。

そして新施策も発表しました。
・毎日環境整備
・毎週昼礼の開催
・私と1on1
・人事評価制度の導入
・親孝行手当の導入

いきなりは難しいですが、進化のきっかけとなる場を開けたなと思います。

■各施策の詳細

・1on1

社員・パート問わず全従業員と一人あたり約30分間、1on1をしました。
年末までで約40人と話すことができて、プライベートな面から普段感じていること、会社への依頼などさまざまな話ができて、まず相互理解という第一歩はきれたかなと。

・昼礼

これまで会社からの報告・連絡・相談がある場合、不定期に昼礼がありました。
本来は毎日したいですが、そうではなくまず週1回開催することにしました。
幹部会議を毎週行なっていると先程書きましたが、決定することが多く、毎週数点ホウレンソウするように。
さらに、Mission・Vision・Valueの体現を発表するペアワークも実施することで会社から一方通行で終わるのではなく理念浸透を進めています。

・環境整備

まず毎日15分間掃除の徹底というところからスタート。私が工場の男子トイレ担当になり、率先垂範しようと動きました。
環境整備の意味を理解するには「百聞は一見にしかず」ということで親戚の製造業会社に1月にベンチマークすることが決定。
従業員に公募したところ約4分の1の10名から手があがりました。
そのメンバーが中心になって掃除だけでなく、施策に取り組んでいきたいです。



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2023年は激動の1年でしたが、逆に新たな施策も始めることができています。

そして、新規事業開発にも力を入れており、あらゆる方面で動いていますので乞うご期待を!
ひょうごベンチャー型事業承継プログラム「HOJO」
アイデンティティ型デザイン経営

長文をご覧いただきありがとうございます。
それでは良いお年を!


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