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絵画の楽しみ方教えます。6-2


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 2枚の絵を並べてみました。貧しい農民を描くミレーに共感しゴッホが描いたものとただ思う方もいるでしょう。私には何か感じるものが在るのです。それは精神的なものではなく、あくまでも理論的な事柄です。女性の体幹というか軸というか微妙な姿勢の違いが気になるのです。この様な時私は単純に重ねてみたくなるのです。

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いかがですか?想像以上に正確に模写されていると思いませんか?人物以外は、ほぼ完ぺきに模写されています。

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人物の微妙な違いは何を意味するのでしょうか?

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そこで私は人物の部分で重なっているところだけを抜き取ってみました。それをさらにミレーの絵に重ねてみます。

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 地平線は驚くほど一致します。人体は頭、右腕、右足は完全に一致することが分かります。これから何が言えるのでしょうか?私はゴッホが実際に農民の作業を観察していたことと、彼自身も炭坑などの過酷な労働を地下深くで、目の当りにしていたことと関係あると思うのです。ミレーの何処か高みから農民を観ていて描いていたことを見抜いたと思うのです。ですから微妙な姿勢の違和感を修正したかったと思うのです。彼がこの絵を模写した時、写真や複製設備は当然手元にないことは想像できます。しかしミレーの絵を非常に精密に計測しその計測結果をキャンバスに位置合わせをして描いたことは、彼の写真複製的なものの見方を利用していたと考えるのです。彼ほどある意味では写真の限界と有用性を理解していた人間はないかと思うのです。だからこそゴッホ独自の表現を完成させられたと思うのです。ゴッホという画家は非常に興味深い画家です。彼の作られたイメージは実際の彼自身とは、かなりの相違があると思います。これからも多分何度も登場すると思います。このシリーズが続けば・・の話ですが・・・(笑)

続く・・

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