改訂版 貴方は本当にレオナルド・ダ・ヴィンチを知っているか? その12
レオナルド・ダ・ヴィンチは私たちをフルイにかけるのです。そこを突破するには、勘違いをして途中まで入り込まないと謎が解けない仕組みになっています。簡単な仕掛けが何層も重なっているので解けない仕組みになっているのです。万能の天才と言われるレオナルド・ダ・ヴィンチのイメージ自体が一種のカモフラージュなのではないでしょうか。まさかあの天才がこんなシンプルな謎を仕掛けるはずが無いという思い込みがますます解析を阻む仕掛けになっているように私は思います。
私はこの現象が偶然ではないと確信しました。これは意図されたものだという結論に至ったのです。さて、これが意図されていたとするならば、考えるべき事柄が二つあります。
1.「この様に意図されたものをルーベンスが描くことが出来たのか?描く必要があったのか?」ということです。
2.これだけ意図されたものがペトロの右手の解明だけに必要なだけだったのか?
その2点について考察する必要があります。
まずは一つ目ですが、この「アンギアーリの戦い」はレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた壁画を模写した版画をさらにルーベンスが模写したとされます。もしルーベンスが描いたならば「最後の晩餐」を徹底的に採寸しなければこの様な現象は起きないはずです。最後の晩餐の詳細な設計図がなければ描けないはずです。全くサイズが異なる絵画の縮尺率を計算しなければこの絵は描けないはずです。確かにルーベンスは「ルネサンスのスーパースターのレオナルド・ダ・ヴィンチ」やラファエロ、ミケランジェロなどを研究していることは確かです。しかしここまでの意図をもって描く必然性は無いと思うのが自然な考えではないかと私は思います。
ではこの絵を誰が描いたのか?私はレオナルド・ダ・ヴィンチが描いたと思うのが素直で一番自然な見方だと思うのです。何故かと言えば、「最後の晩餐の精密な設計図」を持っていたのはレオナルド・ダ・ヴィンチだからです。通常の絵画と違い壁画はスケールが違います。レオナルド一人では全部描けないと思います。当然、彼にはアシスタントが必要です。弟子に指示を出す場合など型紙の様な物を使ったと容易に推測できます。ミケランジェロの描きかけの壁画などを観ればそれが分かります。