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ゴッホの青い手紙 25

この前の青い手紙の続きだ。

 『聖アンナと聖母子』は『聖アンナと聖母子と幼児聖ヨハネ』と全く逆だ。足の指がしっかり描かれている。

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これは手ごわいのだ。
 この絵をよく見てごらん。部分シンメトリーが隠されている。

 レオナルド・ダ・ヴィンチとしては、珍しい試みだ。これを発見するのに、かなり時間がかかった。
 聖アンナの左足(向かって右)とマリアの右足の中央に
一本線を引いてごらん。

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 マリアの膝と聖アンナの左足の膝を頂点に左右対称になるはずだ。
 さてこの後が大変だ。左右を反転させて入れ替えるんだ。頭の中で・・・どうなると思う。
 マリアは大きく体をねじって幼児を抱き上げるダイナミックな絵に変貌する。そして実に微妙だが、聖アンナの脚は男の脚の広げ方になる。

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 実際印刷物の絵があればやってみると良いがなかなか切り抜く勇気はないな。一度のこの様に見え始めると原画を見てもその様に見え始めてしまうのが不思議だ。僕などは見る度にそんな風に見えるようになった。
 あのマリアのグレーの衣服の概念を打ち破れるかどうかがこの絵を読み解く肝だ。この絵も結局聖アンナは男性になってしまう。こんなマニアックな技巧、仕掛けはレオナルド・ダ・ヴィンチしかできない。
 このような仕掛けがこの絵以外にもいくつも幾重にも仕込まれている。
後世の画家は部分毎を見つけては自分なりに取り入れている気がする。
我々が気づいていないところでレオナルド・ダ・ヴィンチの影響はもの凄く広範囲に及んでいる可能性がある。とはいっても誰も気づいてはいないようだ。私がこんなこと言っても今は狂人扱いにされるのが落ちだ。
 百年後二百年後も誰も気が付かないかもしれん。仕掛けの深さが桁違いだね。確かに天才の中の天才だ。僕には到底真似はできない。真似をする気もないが。・・・・焼却頼む。


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