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改訂版 貴方は本当にレオナルド・ダ・ヴィンチを知っているか? その8

 考えてみてください。現代は誰もが自由に自分の意見を言える時代ですが、レオナルド・ダ・ヴィンチの時代に「最後の晩餐にキリストと12使徒以外にもう一人居る事」が疑われたらどうなるでしょうか?
 多分私が思いつくくらいですから教会関係者や依頼主からこの手首について質問があったと思うのです。「この手首の角度は変だと思う。」そう尋ねられた場合、レオナルド・ダ・ヴィンチはどう釈明したでしょうか?多分こう答えたと思うのです。「こうすれば出来ます。」そう言って弟子にこのポーズをさせたのでしょう。弟子には何度も練習させて、いかにも自然にこのポーズが出来るように質問者に見せたと思います。それを見せられた質問者は納得しそれ以上を考えることや追及はしなかったと思います。人間というのは案外素直で浅はかなものです。レオナルド・ダ・ヴィンチはその様な質問が来るのを初めから想定していたのではないでしょうか。用意周到です。彼には人間の心理を読む力があります。
 万が一この仕掛けが分かった時、あるいは疑われただけでも教会から破門される可能性があります、それは死と同等の意味だと思うのです。2重3重の防御策が必要だったことは容易に想像できます。
 この「ペトロの右手問題」は現在に至るまで、教会を悩ませたと思うのです。この「最後の晩餐」は世界でもっとも有名な絵画と言っても過言ではないです。だからこそ教会はこの問題を隠そうとしたと思います。皮肉にもレオナルド・ダ・ヴィンチのカモフラージュでこの問題を終息させたのです。

         意外な展開


 さて私の告白は終わりにします。この後意外な展開になります。私はある時、もう一度「ペトロの右腕」の上に「闘士の切り取った腕」を重ねてみたくなりました。私は間抜けでした。私は「アンギアーリの戦い」から切り抜いた「ペトロの右腕」の保存場所が分からなくなってしまったのです。私は、もう一度切り抜くのが面倒だったので安易な方法を選びました。
 答えは簡単です。そのまま貼り付けたのです。「アンギアーリの戦い」を反転させて「闘士の腕」を「ペトロの腕」に重ねました。私はそれを透過させながら、そして縮小させ、あるいは拡大して概ね合致する様にその作業を繰り返しました。


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