選択

人生に絶対に正しい道など無い。
常に選ばなかった方を良しとしていたら、自分が唯一の意思決定者であるはずの人生で足踏みしてしまう。
私は仕事を辞め、小学生になったばかりの娘を毎日学校へ送迎し、一緒に風呂に入り、宿題をみて、娘の好きな動画も観て、とにかくずっと一緒にいる。
それを密着し過ぎではないかと言われた。
義母の希望で習わせているピアノを娘が飽きたから辞めたいと言った時の、義母の言葉。
義母は一人息子を公務員をしながら育てた。夫はまったく育児や家事をしない時代。夫の両親との同居。目まぐるしい毎日で、ゆっくり一人息子に向き合う時間も持てなかっただろう。
どれが良いなどということはない。
親の働く姿を見て、共にいる時間が少なくとも子はちゃんと育つ。
家にいる親と始終一緒にいても、もちろん子はちゃんと育つ。
ひとつの習い事を飽きたから辞めることを心が弱いと言う。
自分の気持ちに正直に辞めると言えることを弱いとは言わない。
自分の気持に蓋をして、好きで始めたはずのことを意地でやり続ける事に意味はない。
結局、子どもとはいえ、その人生は彼女のものであり、すべての選択は彼女がすべきだ。
その結果を引き受けるのも当然に彼女だからだ。
私が背筋が凍るほど嫌なことは、他人に自分の事の選択権を奪われること。娘の選択権をいかに小さなことでも奪わないようにしたい。

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