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【 『続ける』 ということ 〜鳥山明先生と尾田栄一郎先生を比べて〜】

【 『続ける』 ということ   〜鳥山明と尾田栄一郎を比べて〜】

鳥山明先生も、手塚治虫先生の次の時代を築いたレジェンドです。ご冥福をお祈りします。
その画力は本当に見事でした。そこは絶対、尾田先生も足元には及ばないでしょう。

でもドラゴンボールを世に出してから、辞めたくても辞められない大人の事情に飲み込まれ、苦し紛れに連載を続けてたんですよね。
最後の方はかなり無茶振りなストーリーでした。

あの頃の時代のジャンプ漫画は、「北斗の拳」「シティーハンター」「キン肉マン」すべてそうでしたよね。
最終回で終わるべき「時」を見誤った作品が多かった様に感じます。

その点、綺麗に終わるべき時に終わったなぁ…と思うのが「花の慶次」「スラムダンク」ここ最近だと「鬼滅の刃」などがそう思います。

でも、「OnePiece」については、これから遠くない将来、終わるべき時を見誤る事なく終わらせるのだろうけども、うま〜く長〜く、計画的に引っ張ってるなぁ〜と感心させられるんです。
これはもしかすると、長期的に計画する何事にも通じる事なのかもしれません。

長期的に何かを続けなければならない。
しかしいつかは「大いなるグランドゴール」がある。

そんな大いなるグランドゴールに向かって、物事を継続するコツって、幾つものミニゴールをうまく作る事なんだと思います。

DRAGON BALLの場合、本流のストーリー自体がピッコロ編、ベジータ編、フリーザ編、セル編と編ごとにミニゴールを積み重ねてきました。それがやがて「ネタ切れ」を生み出して鳥山明先生を苦しめたのではないかと。。。

One Pieaceの場合、本流のストーリーの中に「伏線」というミニスタートを幾つも散りばめ(そうして自分を追い詰める) 、「回収」というミニゴールを幾つも重ねてきています。
もちろんOnePieaceにもドレスローザ編、ホールケーキアイランド編、ワノ国編などと「編」はあるのですが、グランドゴールのある本流はブレてません。その中では編はミドルゴール、回収こそがミニゴールの役割となってます。

僕も大人げなく漫画「One Piece」を読んでます。(今は昔と比べるとほぼ惰性で読んでるだけですが。。。)

1997年からの連載で、最終回まであと5年以内と発表されてるから、尾田先生は本当にこの作品だけでライフワークにできる訳ですよね。30年を超えるのですから。

尾田先生も鳥山明先生に憧れて漫画を描き出したと言います。
ですが、鳥山明先生が「Dr.スランプ」と「ドラゴンボール」2作に加えて、RPGの名作「ドラゴンクエスト」のキャラクターと代表作と呼べる物が3つある事に対して、尾田先生は1作でこれだけのロングランなのはある意味、鳥山明先生とはまた違う快挙だなぁと思う。

そしてもう一つ、ストーリーを描き進めてるに当たって「スゴイな。。。」と思う事。
(ちょっとここからは読者にしかわからない話ですが)

2024年3月時点で、単行本最新刊で進んでいる話の中で、バーソロミューくま と、ボニーのエピソードがあります。これがまたお涙頂戴の泣かせるストーリーなのですが……

このエピソードの途中から、主人公・麦わらのルフィの一味が絡んできて回想する話があるんです。その最初に絡んだシーンを調べてみたら2008年でした。

その時のバーソロミューくまは、あまりにも謎で何を考えてその行動をしていたのか、まったく不明でした。敵なのか味方なのか、謎に謎を重ねた男。

そしてその伏線が、16年の時を経てようやく今、回収されました。しかもこんなに感動して泣かせるよなお話で。やっとその正体が判明しました。

最初からそんな設定で決めていたかは不明です。でも作者としては泣かせる自信のある内容なら、早く読者に読ませたいと思う所でしょう。
それを16年もの長い年月、ひた隠しに隠してきたのです。

でも「One Piece」の物語の中に散りばめられた伏線はまだまだこんな物ではありません。
一体これまで幾つの伏線が撒かれてきたのか。その量もさることながら、それを回収するまでの期間に何とも驚かされます。

例えば、「海峡のジンベイ」というキャラクターも今でこそ麦わらの一味に加わりましたが、一番最初に「名前」だけ登場してから、その姿を物語に登場させるまでも10年かかってます。
他にも、伏線を仕掛けてから回収するまで何年越し……という物がもう数えきれない程。

よく考えてみてください。
ドラゴンボールで考えますと、フリーザが実は変身するタイプの宇宙人とわかってから、変身した形態をお披露目するまでは2〜3ヶ月でしたよ。巻数で言えば2巻分以内の出来事。

かたやOnePieceでの回収は10年だとか16年。

2008年のバーソロミューくまとルフィ達の初絡みが、北京オリンピックの年で、しかもリーマンショックもあった年。
それからオリンピックは、ロンドン、リオデジャネイロ、東京と3都市を経て今年、パリで行われる年ですよ!

そんな長い間、尾田先生は読者に教えたくても教えない秘密を隠してきてるのです。これってすごくありません?😄

って、それを言ったら元々……
このタイトルの「One Pieace」自体が、全海賊達が探し求めている謎の宝物で、それが何なのか?。それこそが連載開始1997年からの大いなる謎、伏線です。

他にも未だ回収されない、もう25年以上は謎に包まれたままであろう代表的伏線が3つあります。

●最後の島、ラフテルはどこなのか
●「Dの意思」「Dの一族」とは何なのか
●失われた100年とは何があったのか

ジャンプの「One Piece」同様、長期連載してる作品で本当に伏線と回収が巧みで素晴らしいなぁ、と思う作品に
●「はじめの一歩」
●「キングダム」
があります。

長期連載だけを言えば、こち亀、サザエさん、ゴルゴ13などもありますが、オムニバスで一話完結の構成では伏線と回収の楽しみはありません。
(ゴルゴ13の正体は何者かという謎は、さいとうたかを先生が墓場まで持ってゆきましたが、そればかりはけして回収のない謎でしょう)

また、回収(というか、最終回を見届ける事)を諦めた作品もあります。
●ガラスの仮面
●バカボンド
●HUNTER × HUNTER
●コータロー まかりとおる
そんな世にヒットして、期待させて、消えて忘れられてゆく作品もある中で、One Pieceの計画性と執念は敬服します。

皆さんは他にもそんな、長期連載で伏線と回収の巧みだと思う作品はありますか?
また回収を諦めた作品はありますか?

OnePieceを読まれる方で、他に巧妙だと思う他の伏線はありますか?

僕は先にも挙げた三作品。
●OnePieceとは何なのか?
●一歩は世界チャンプになるのか?
●キングダムは、どうやって中華を統一するのか?
これらを見届けるまでは死ねないなと決めてます😁

#尾田栄一郎
#OnePieace
#伏線と回収

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