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オトンとお正月

2022年初の娘訪問介護日記です!

元旦は我が家へオトンを呼び、一緒にお正月のお祝いをしました!!

(もう、お正月気分も終わり、いつもの日常となっておりますが、よろしければ読んでみていただけると嬉しいです)

オトンとお正月のお祝いは数年振り。

息子が小さい頃は毎年、お節とお雑煮を作って3人でささやかなお祝いをしてからお参りに行っていました。

数年振りだったのは、私が老人ホーム勤務の時は大晦日から元旦にかけて夜勤や、元旦勤務だったり(地方出身のスタッフは里帰りするから近場のスタッフは出勤する)

みはちゃん(パブ)の時は年末10連勤の激務(まだ感染症前だったので大忙し)で毎日昼から夜中まで、元旦は朝4時に帰宅し、疲れて無理だったり、

デパート勤務の時は年末セールに新作の準備、2日からセール(福袋)の為の体力温存しておかなくてはいけなかったり。

私自身が具合よくなかったり。
(オトンごめんね)

毎日のメールでは「元旦にじゅんみはちゃんの家に行くのがたのしみです!」と書いてある。私もとっても楽しみ!

さてと、
お正月料理を作ろう!と張り切ったものの…今のオトンは入れ歯拒否なので柔らかい物しか食べれない。
でも、何とか雰囲気を出して喜ばせたい…。

どうするか?私。

オトンはお節料理が好きだ。
華やかで、少しずついろんな色鮮やかな料理を味わいながら「これはね、こういう意味があってね」と説明してくれていた。

今、食べれるものは少ないけど、とりあえず華やかで、気持ちが明るくなるお節にしよう!
祖母が昔、歯が弱った祖父に作っていたお節料理を思い出そう。
食べれないものがあっても、目で味わうのも楽しみの一つだ。
老人ホーム勤務の時の元旦、ちょっとおめかししたご入居者さま達が、調理師さん達が工夫をして丁寧に作った柔らかいお正月料理にみなさん目を輝かせて食べていたことを思い出す。

お雑煮もオトンの大好物だ。

以前は、利尻昆布と花鰹節で丁寧にお出しをとり、酒と塩、ほんの少し薄口醤油で味付け。
大根は扇形、人参はお花に飾り切り、一口大の鶏もも肉、干し椎茸はじっくり水で戻し、戻し汁はお出汁に入れる。戻した椎茸は飾り切り。ほうれん草を別茹で。
お椀に四角い焼き餅を入れ、その上にに具材をキレイに盛り付けそっと汁を注ぐ。仕上げに結び三つ葉に柚子の皮を乗せる。

しかし、今のオトンには食べれない。困った。
今のオトンでも食べれて、華やかで美味しいお雑煮とは?

「12:30頃に来てね」とオトンに連絡。
オトンは必ず20〜30分前に来るので遅めの時間を伝える。
やっぱり12時ぴったりに来た。

「あけましておめでとうございます!本年もよろしくお願いいたします。」と親子で挨拶する。

オトンはニコニコと、「にゃんごろ達〜元気か?じいちゃんきたぞー。」と三毛猫三姉妹を撫で撫でする。
次女は嬉しそうにオトンの横に座り、もっと撫でてにゃ!と言っているようだった。
三女はオトンの周りをクルクル回って喜んでいる。
長女は日向ぼっこでお昼寝中。(もう18歳なので人間なら御長寿さんだ)

「お父さん、今朝お風呂洗って温泉の入浴剤入れておいたから、折角新年だし、お風呂入ってきたら?」
「うん、そうするよ!ありがとう」
と、うきうきお風呂に入って行った。

お料理を食べてオトンがお昼寝したくなっても良いように息子のベッドを布団乾燥機で温めておいたから準備は万端だ!

オトンが入浴中、お料理の仕上げをする。

・お節料理・

伊達巻、厚焼き玉子、紅白かまぼこ、焼海老、ブリの照り焼き、昆布巻、黒豆、栗きんとん、お野菜のお煮しめ。
オトンの大好物の数の子と紅白なますは今のオトンは絶対に食べれないので諦めた。(噛めないから誤嚥の危険大)

・バラちらし寿司・

お刺身が大好きだったが、入れ歯拒否のため、食べられていなかったので、バラちらし寿司なら食べれるのでは?色鮮やかで楽しいかな?と。イクラも乗せて。

・牛すき焼き丼・

こちらもお肉が好きなオトンに柔らかく煮た牛肉を使って。

・お雑煮・

これが一番迷った!!
今までの手の込んだお雑煮は、今のオトンには食べれない。
悩んだ末、お出汁で小さめに切った鶏もも肉と舞茸を柔らかーく煮て、菜の花の花の部分だけを色褪せないように柔らかく別茹でした。
お餅の代わりに、かなり緩めの白玉を茹でた。(スプーンでやっとすくえるくらいのゆるい白玉生地)
これは老人ホームで調理師さんが工夫して丁寧にご入居者さま達に作っていたのを真似た。(舌でも潰せる柔らかさなので喉に詰まらない)
お椀に鶏肉と舞茸、白玉餅を入れ、汁を注ぎ菜の花を乗せる。柚子の皮も香付けに少しだけ。
菜の花は少しだけ黄色い花が咲き始めているのを選んだので、何とか雰囲気は出ているだろうか?

お風呂からうきうきと出てきたピッカピカのオトンがコタツに入り
「ご馳走だねぇ!」と喜んでいる。
にゃんこの次女と三女も隣に座る。

「お父さん、食べたいものをね、少しずつ好きなだけゆっくり食べてね!」

先ずは銀盃に日本酒を入れ
「おめでとうございます!」と乾杯。
お酒を飲まないオトンに
「お父さん、お祝いだから飲む真似だけで良いからね」と言ったのに、グイッと一口で飲み干した。
私ビックリ。
とは言ってもティースプーン半分くらいだけど…帰りの自転車が心配。

とてもささやかなお正月料理。
二人分だし、オトンも私も沢山は食べれないから、昔みたいに三段重ではないけれど、その方が今のオトンには良いかなと思って。

ささやかではありますが、とても幸せそうなオトンを見れて私は幸せでした。

オトンはお雑煮を「美味しいねぇ」とニコニコ食べる。
白玉餅も予想以上にお餅っぽくてお出汁がしみて美味しい。
「ゆっくり噛んでね」今日は流石にゆっくり噛んで食べている。

「バラちらし寿司嬉しいなー」取皿に酢飯といろんな小さく切ったお刺身を乗せ一つ一つのお魚を味わう。何度もおかわりする。
「あ、イカが噛めない。悔しいね」とイカは出す。

黒豆を「豆々しく〜♪」とぱくり。
太巻きは一口で丸ごと口に入れた!
厚焼き玉子も丸ごと一口!
えええ?????ゆっくり食べてないじゃん!
「お父さん、一口で食べないでよ!ちゃんと噛んで!!」
私は冷や汗。オトンはニコニコもぐもぐ。
「よろこんぶ〜♪」柔らかい昆布巻きも嬉しそう。
「かまぼこは食べたいのに無理だなぁ、栗きんとんは美味しいね!」(栗は食べれないけど)

途中でにゃんこ三女が猫じゃらしを持ってきて「おじいちゃん遊んで!」と待っている。
チョイチョイ遊ぶ。嬉しそうなにゃんこ三女とオトン。

大晦日に、大好きなお兄ちゃん達が会いに来てくれたよ!と、楽しそうに話をしている。可愛がっているワンコとも遊べて嬉しかったようだ。
良かった良かった!

煮付けは予想通り食べない。オトンは好きじゃないのだ。(一応柔らかく煮たけど)
でも私が食べたかった。
オトンは食べないけれど、一つ一つの意味を話してくれる。
私の好物のくわいのお煮しめを見て「おばあちゃんを思い出すね、お父さんは子どもの頃から苦手だったの」と言う。
私は祖母(オトンのお母さん)のくわいのお煮しめが大好きで本当に美味しかった。
東北出身の祖母のお煮しめは濃い味で色も濃かった。
すき焼き丼はお肉だけペロリと食べたのには笑ってしまった。
「お父さんもうお腹いっぱい、ご馳走さまでした」
オトン、いつもよりはかなり食べたと思う。
とにかく嬉しい。

ニューイヤー駅伝を見ながらのんびりコタツでぬくぬく。
にゃんこも一緒にぬくぬく。
私は一緒に駅伝を観ながらゆっくりパクパク食べる。

オトンはまだ初詣に行けるほどの体力はない。
寝たきりだったオトンが我が家に来れるようになっただけでも大進歩だ!
嬉しさが込み上げる。

「眠くなったら、孫くんのベッドでお昼寝していいからね」
ホカホカの息子のベッドでにゃんこ長女が気持ちよさそうに寝ている。

暫くすると「お父さん帰るね、今日はありがとう!」と帰り支度をしている。
「え?もう帰っちゃうの?ゆっくりしていけば良いのに」
日が出て暖かいうちに帰りたかったのかな?
にゃんこ達に「またじいちゃん来るからねー」と一匹ずつ撫で撫でする。
長女も起きて、次女と一緒にオトンを玄関までお見送りする。

にゃんこ娘達もオトンのハッピースマイル大好きだ!

手を振って、自転車をゆっくりと漕ぐオトンを見えなくなるまで見送る。

ちょっと涙が出る。

オトン、大好きだよ。今年も来年もずっとずっと大好きだよ!
頼りない娘でほんとにゴメンだけど大好きだよ。

気を付けて帰ってね。今日はありがとう。来年も一緒に元気にお正月のお祝いしようね。
とオトンの背中につぶやいた。

大晦日も遅くまで起きていて、元旦は早朝からお料理の準備をしていた私はホッとして猛烈に眠くなった。
そして、張り切ったからか?鼻血が出た。

後片付けもそこそこにお昼寝して起きたら夜だった。

今年はオトンも私も健康で過ごせますように!

もう、お正月気分も終わり、通常の日常になりました。
私も、「1月の目標」を壁に貼り、いろんな制作を始めています!
少しずつマイペースに実現していこうと、元気に過ごしていますよ。

そして今年も楽しく娘訪問介護日記を書いていきたいと思いますので
よろしくお願いします!

オトンと私と三毛猫三姉妹がお正月のお祝いをしている絵を描きました♪

読んでくださりありがとうございます! 嬉しくて飛び上がります♪ 私の心の中の言葉や絵を見て何か感じてくださればいいなと願いつつ。