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きれいな牛乳を搾りましょう

酪農家の皆様、こんにちは。
とあることがきっかけで、生乳の品質管理が注目されています。
私達の究極の使命は「安心で安全な牛乳を消費者に届けること」ではないでしょうか。
生乳を衛生的な環境で管理するためのメソッドをメイプルファームを例にとって考えてみましょう。

バルク室・パーラーは「最重要衛生管理区域」

牧場は食品工場という性質を持っています。消費者にとって一番きれいであってほしい場所はどこでしょうか?
それは生乳が管理されている場所です。
具体的には「ミルカーからバルクまで」です。
牛舎、餌場、哺乳舎、勿論すべてきれいであることが理想ですが、優先順位と言えば「ミルカーからバルクまで」です。

酪農は、消費者の方々の理解が無ければ成り立たない仕事。
別な言い方をすれば、消費者の方々に信頼されなければ存在できない仕事。なのです。
生乳を原料として出荷して終わりの酪農家は、このことを忘れがちです。
ある意味仕方のない面もあるかもしれません。

常にきれいにするための工夫

最重要衛生管理区域だけに、常にきれいでなければなりません。
どうすれば一度きりの綺麗で終わらずに、常にきれいで居続けられるでしょうか?ポイントは3つあります。
・毎日やる
・分散する
・それぞれやる日を決める

毎日やる

誰かに汚いと言われたからやる。お客さんがくるからやる。ではダメなのです。毎日やる事が重要です。でも、毎日の仕事が大変。掃除している暇もない・・・。

分散する

そこで「分散する」ことを考えましょう。よくない方法が、
毎月〇〇日は一斉掃除
です。何故悪いのか。それは詰め込み過ぎると、負担になるからです。出来るときは良いんですが、忙しくてできなかったとき、それはやらずに終了となる可能性が高まります。
今日出来なかったら、明日も出来ないかもしれません。明日できないと、来週でいいか、来月にまとめてやればいいか、なしでいいか。となるのが人情です。

やる日を決める

そこで、おススメめなのが、衛生管理を28日分に分けることです。28日とはつまり月の最少日数です。出来る限り細かく分けることで、1日の作業時間は限りなく少なくなります。例えば作業を10分まで少なくできたら、どんなに忙しい日でも、10分くらいならやるか、って気になりませんか?

例:毎月1日はバルク表面掃除。毎月2日はバルク上部掃除。毎月3日はミルカー一台洗浄。

などです。

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拡大して確認して下さい。メイプルファームではラインワークス上に衛生管理グループがあります。そこのグループカレンダーでやる事を繰り返し管理するようにしています。

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また、同グループでやった事を報告する事によって、やり忘れを監視しています。

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↑こちらは乳量計測カップ。毎搾乳毎に内部を洗剤が循環するので、特に分解洗浄は必要ありません。
しかし、メイプルファームでは規則がある訳でもなく、メーカーから奨励されていなくても、全部で48個ある乳量カップを1日2個ずつ、毎日かけて洗います。それによって必ず月に一度は分解され、きれいになります。


誰が牛乳を飲むのか

酪農家全員が、自分の牧場の生乳衛生に自信を持てるようになりたいですね。例えば自分の子ども、両親、恋人など
自分の一番大切な人にのませたい
そんな気持ちになれば、おのずと「きれいな牛乳にしよう!」

と思えるのではないでしょうか。

牛乳を届ける相手の顔を想像してみませんか。

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