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【ネタバレ有り】女人荒野を見た感想【激スペクタクル】


 たいへんたいへん!刺さった!妄想がフル!

 (⚠️以下、この歌詞のこちらに委ねられた広がりの美しさを無視して、野暮な妄想を繰り広げます。「そんな捉え方もあったらいいね!」くらいの気持ちでご覧になって。あと、めちゃくちゃネタバレします!⚠️)


 お支度が飢餓海峡と一緒なのと、ふきながしが映画天城越えを彷彿とさせるので、どっちのアナザーストーリーにしたって…!想像力のオタクが幾重にも刺さるやば構造だった。八重ちゃんでもハナちゃんでもえぐいって話。見てる時脳みそ追いつかなかったし、昼夜間でも脳みそ追いつかなかった〜🧠

 (と、初見で色々思ったこと書こうと思ったけど2回目くらってお気持ちが爆発した。)

 「どう?!どういう設定になっている?!」という興奮のやり場のなさ、助けろ。
 このどうしようもない気持ちを…なんとかして…なんとかしたくて…原作映画をデータで買って見てきた…円盤持ってるのに…なぜ……。結局本も古本買って読んだわ……。


【飢餓海峡/杉戸八重】

八重ちゃん、純朴でスれてないと思わせる可愛さがあるよなあ。まじでプロなのに素人かと思っちゃうよね。


⚪︎ふわっと私がいいように解釈した八重⚪︎
 八重は天真爛漫な溌剌とした女で、なぜか自分の直感に自信がある。八重のペースに入ってしまうと好きになるほかない。時には根拠にかける「私にはわかる」を死ぬまで貫く。義理堅く真面目に初志貫徹する力がある。ふっくらとした外見のかわいらしさが普遍的。

⚪︎八重が女人荒野に立ってる話⚪︎
 ご存知の通り、爪ちくちくの八重ちゃん。娼妓の仕事をしている中で出会った男(犬飼)に大金をもらって借金返済と上京を叶えます。その恩義と会った時の印象から、犬飼のことを10年間忘れることができずにいました。(身を隠すように転々としながらも結局は娼妓の仕事を続ける日々でした。)ふと新聞で立派になった犬飼の姿を目にして居場所を知り、会いに行った先で知らん男との心中に見せかけて犬飼に殺されるわけですが…。
 八重が旅に出るとしたら、その10年間なのか、死んでからなのか。「関わりのない人になっちゃった」のは、犬飼の行方が知れなくなったからなのか、犬飼に拒絶されて殺されたからなのか。

 10年間説。八重は犬飼に大金をもらって、それがなんとなく良くないお金と察しながら借金返済と上京を果たします。上京してすぐにまた体を売ったわけではなく、いったん飲み屋で働いたりしているのですが。もし、体を売るまでの間で「女人荒野」があったとしたら?
 実は八重ちゃん、上京前に犬飼のことで警察に追求されたとき、適当な嘘をついて警察を騙して早々と上京しているのです。そして、飲み屋で働いてしばらくして良い仲になった男がいたのですが、八重と付き合ってから悪いことをしでかして警察に追われる身に。上京してからも警察に接触され、ここでも逃げるように別の地に移っています。
 八重ちゃん、東京での男が警察に追われている時に犬飼のこと鮮明に思い出したんじゃないかな。本来は「飲み屋みたいに人目につくところじゃなくて、みんなそれぞれ事情があって深くは聞いてこない遊郭で働こう、隠れるならその方がいい」と町はずれで娼妓に戻るのですが、そこに至るまでに「犬飼と今の男を比べてやっぱり好きだったのは犬飼だった。でももう、行方知れずで関わりのない人になっちゃった。あの日、言われなかったけど、かわいいと愛していると声がするなんて愚かだわ。」と1人歩く日々があってもいいと思わない?急いで列車に乗らなくても、人気の少ない田舎道を歩いて別の街に行ったっていいじゃない…、そうしようよ…(?)少し捨て鉢になって、虚しくて、虚しさを埋める方法も分からないから、娼妓の仕事に戻っていく女、ええやん。

 死後説。八重ちゃん、10年間忘れることのなかった恩人、犬飼にお礼を言いに行って殺されます。歌では「殺して殺して爪たてて」と言っていて有名ですね。映画では揉み合っている中で首を絞められて殺され、小説では帰ろうとするところを「八重さん」と呼び止められて毒入りの紅茶で殺される。
 あの…、たぶん、めちゃくちゃ優しい声で呼び止められてない?だって、犬飼は確実に紅茶飲んで死んでもらわないと、10年前のこと喋るかも知れない相手が世に放たれることになるんだもの。人違いっていうなら帰ります!ってなってる八重を引き止める優しい声の「八重さん」は、10年前にそう呼ばれたかった声なのでは?と思うのです。たまらんね!
 その上で、「殺して殺して爪たてて」を「毒殺なんかではなく、せめて死ぬなら犬飼の大きな手の温もりや爪の痛みを感じたかった」と捉えてみます🧐死んだとて未練残りそうじゃない?一張羅のワンピースで死体になって海に投げ入れられた八重の魂が「女人荒野」の主人公だとしたら?「私死ぬ時にあなたの手で死にたかったのに、どうしてそんなやり方なの。あなたに触れてもらえなかったワンピースも黒い海で汚れたけど、一生着続けてやる、誰のためだと思ってんだ。」という。
 八重は死後何年経ってもかわいいであろうね。🦁の女形は年齢不詳のかわいさがあるから余計に納得するよね(?)


【天城越え/大塚ハナ】

⚪︎ふわっと私がいいように解釈したハナ⚪︎
 ハナはいるだけで場が華やぐ女で、優しさに艶があるところが恋しそうで危ない。歳は若いが、腹が据わってるところもあってかっこいい。少々気が強いところが玉に瑕。底知れぬ闇を感じるけど、それに触れる隙を与えてくれない。華奢な首元や足から女の匂いがして鼻に残る。

⚪︎ハナが女人荒野に立ってる話⚪︎
 天城越え!皆様ご存知のあの年末な演歌ではなくて、松本清張の小説の方!!(大声)の、映画化されたやつ!!!(大声)

 当方が騒いでいるのはこちらの天城越えです!映画の予告だけでも見て…まじかわいい娼妓さんおるから…ッ。
 天城越えは、その名の通り天城山を越える話。主人公は学生服の少年です。少年は母親の不倫が嫌で居心地が悪く家族に黙って家を出ます。目指すは下田、兄の奉公先があり世話になろうと思い付きます。そこで出会って一緒に歩くことになるのが、あのかわいい娼妓ちゃん。ハナも下田を目指していたので一緒に歩くことになる。ハナは23歳と年若いが少年にとっては年上の女としての魅力があった。娼妓を仕事にしていたこともあり、呼吸するように男に媚を売った。それが例え年下の学生でも!なので当然好きになってしまいます。だってね、初手からバックハグかましてくるんだよ…。年上の女が年下の女みたいに可愛く懐いてくるの、どうしようかと思うよね?
 さて。少年がハナの次に出会うのが大工の大男。姿を見るなりハナは少年を先に行かせます。実は着の身着のまま遊郭を足抜けして無一文だったハナは売春で小銭を稼ごうと思ったのです。2人の揺らす木々を見て嫉妬に狂った少年は大男を殺してしまいます。(ガチの急展開焦るからやめて)
 でも、少年の罪はハナに被せられる、なぜなら、証拠が足跡だったから。小さい足跡で女に疑惑がかけられたし、少年が殺人するなんて思われなかったから取り調べも緩かったんです。それにハナはもともと気が強いところがあったから余計に疑われて半ば拷問のような取り調べを受けました。(小説では証拠不十分でご赦免、映画では縄にかかって獄中死)
 で?少年がどうなったかって?数十年後に時効迎えてずっと経っているのに苦しんでいたよ。どひゃっ。

 で、やっと本題☝️笑 写真見てもろてええすか。

 この女人荒野の女、すごくハナの気質があると思いません?若い歳の割には肝が座っている、ような。つまり、ハナが女人荒野に立っているのって遊郭から足抜けしてすぐ、お金もなくて頼る人もなかったからで、でも、その状況でも動じずに微笑んでたと思うんだよね。微笑めるのは諦めじゃなくて、彼女の強さなんじゃないかな。
 そして23歳という若い女の口から出た歌詞だとしたら、ひとつひとつ新鮮で、捨て鉢感が薄れません?そこが酸っぱくてきゅっとなる。

ハナちゃん、手拭いを口で割いて少年の靴擦れの手当てをします。たまらんて。


 ハナって綺麗な着物を着て真っ赤の紅をさしている割にお金も何も持ってないんだよね。本当に売り物の姿で出てきちゃったから、草履すらすごく大切で作中でも天城山を裸足で越えようとしていますし、タバコに火を灯そうとしてもマッチはしけてて使えませんでした。裸足でいることに対しては「あんたも脱いじまいなよ」と誘い、マッチを差し出してくれた少年に対しては「火はつけてくれるものよ」とおねだりし、本当に…えぇっっ…🔥すき…。すごくシンプルに「立ってます」が成り立つ子だと思うんです。


 そして!はじめての舞踊に立ち会えてよかった!女人荒野がおぎゃっと言ったのってだいぶ事件だったのでは…。どうしよう、これからもう出会いたくないかもしれない(出会った)会場で人一倍やばくなってるオタクいたら私です、なんかすみませんね🤘では🤘

【2023/09/26 夜 お支度に関して】

✍️2023/10/02追記

 この度、篠原で4度目の女人荒野に出会いまして!!しかも青の支度!!写真あげてもいい公演でッ青の支度ッッ!

  これ…襟元に黒のキラキラなし、吹き流し黒なの…めっっっちゃずるくないっすか……。目元のピンクが映えすぎている。見た瞬間に「生きた女だ」と、ハッとしました。「生きた」というのに「生きている」と「生きていた」をどちらも含む「今、たしかにそこにいる女」でありました。
 目元の滲んだような色味、時間経過を感じさせてとてつも大好きなんですが(お葉とかでも前幕からの経過を感じまくって辛くて大好き)、それに意味を感じ想像を深々巡らせて愛してしまいました。だってさ、目元赤くして何に涙流したのって話じゃん??赤くなるまでどれくらいの時間かかったのって!そんなの好きだよね???

普段はこのような。前回の女人荒野も(写真あげられない公演のやつだったけど、)このような。


 色彩が絞られた女人荒野、本人の女性性が際立って、ふっくらと赤々としてかわいかった〜〜!黒の吹き流し、汚れてもいいような色を持ってきているあたり、そもそも旅に立つことを前提として家を出てきたのかなと想像したり💭もしくは「喪」的な意味だったりして、それって「誰の?」とわくわくしたり💭


 あ!と!「乳房」を「背中」で見せてくるの、最高だったね。控えめに言って詳しく想像したね💭(?)さいこ〜〜

 またやばいことあったら追記しますね🤘では🤘

【2023/11/22 夜 裸足解禁】

✍️2023/11/23追加

 お察しの通り〜〜!女人荒野、圧倒的裸足で見たかったので〜〜〜!全力で最高になっちゃった〜〜〜!!
 事件ですか?事故ですか?裸足です!!!(?)

ひんやり少し湿った地面を踏みしめている、という第一印象。映画天城越えのようにね。

 裸足ってさ…なんでなってるかと言えば、履き物が壊れていったか、履き物が勿体無くて温存してるか、じゃないですか。だから、裸足を見るときのみきのまま出てきた女の時間経過の幅が増えて感じられて、その分重ねた思いもたくさん想像できる。すこ。昼夜かのように強弱する照明に何日、何ヶ月を重ねよう。

 「気がつけば」出てしまっていた旅。旅支度の不備しかないに決まっているんだ…。

 「愚かなおんな」がどんな感情で立っているのか。1人で旅することにどんな苦労が付きまとうのか。歩けば歩くだけ生傷の絶えない足を思えば、己もちくりと痛いかのよう。

 あと、女の白くて華奢な足を見て、捨て鉢への共感と行動できるだけの女盛りへの羨ましさを感じたりもして。


 足が良く見てる川越で出会えてよかったな〜!…それにしてもまあまあ秒で裸足に気がついて、我ながら気持ち悪かった🤘笑

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