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「風花、繚乱」の初日を終えて、夜も眠れず気になったことついて書いちゃい!


 夜も深まってきましたね、こんばんは!鮮やかにネタバレしちゃうと思うのでよろしくお願いします〜!「風花、繚乱」っっ!!明日が初日の人はやめときな!!
 私が好きな視点からお嬢のこと見てたよって話だよ〜!

【男子を女子として育てる】

 私の基礎知識としては、「ブレンダと呼ばれた少年」がいたなあ、と言うくらい。男児が男性器を切り取られて女児として育てられるけど、本人の性自認は男子のままで葛藤する人生、だったよなあ、と。37歳で自死を選んだとは失念していた。

ブルースは1歳10ヶ月でブレンダとなり、14歳でディビットになり、37歳で自殺を選んだ。双子の弟もまた2年前に自殺している。かくしてマネー博士の壮大な実験は一つの家族の人生を壊し失敗に終わった。

「ブレンダと呼ばれた少年」

 生まれ持った性を他力で捻じ曲げられると言うのは、脳を傷つけ鬱に陥るほどの相当な虐待なんですよね…。そりゃお嬢、大人になってからも「わからなく」もなりますよね…。

 しかしですね、古くから女装の文化はあり、平安時代頃には男児を女装させて育てることには護法的な意味も生まれたそう。

 はじまりは奈良時代に編纂された古事記だ。九州討伐を命じられたヤマトタケルは、髪をおろし、女性の衣服を身にまとうことで、警備の厳しい熊襲兄弟の宴に潜入し、気を許した隙をついて討伐に成功する。そして平安時代や室町時代に成立した物語や御伽草子にも異性装の人物がたびたび登場。鎌倉時代の『石山寺縁起絵巻』にも女装した稚児が見られるなど、古くから異性装の文化が存在していたことが分かる。

女装はいつから始まったのか?『装いの力―異性装の日本史』で考える多様な性の未来

 むろん、現在では医療の発達により男の乳幼児の死亡率は低くありません。しかし、昔は幼児期に病気などで死亡する確率が多かった……
 昔の人は上記の医学知識を知りませんから、これを男の幼児のみに病をうつす悪霊、荒神、鬼がいると考えました。そのため、平安時代頃から魔除けの護法として、魔物から男児を守るため、女の子の格好をさせて欺くのです。

歴史いろいろ話 男の子を女装させる風習

 お嬢の女装を単に「女の子が欲しかったもの」と捉えるのではなく「親の願いのこもったもの」と捉えてもいいとは思いましたね。加えて、お嬢は自分がどちらの性でもいいと考えているというか、男としての自分も女としての自分も拒絶しなかったところが幸いでしたよね。
 まあ、親にとって悪意がなかった可能性にすぎず、お嬢が鬱にならなかった理由にすぎず、虐待には変わりないと思いますが。お嬢も非行に走ってしまった被害者だもんね。わーん、お嬢が盗みとかしているのも可哀想になってきた、えーん!私はお嬢のこと愛してるよ〜〜〜(?)

【名前から見ても愛されていたかも?】

2023/10/06 追記✍️

 お七という名は、子どもができないことを嘆いた両親が日蓮宗の信者で鬼子母神や七面を祈り奉ったところ女の子を授かったので、ひとえに七字の題目がありがたいというところから取ったもの。また、七面様の御守りで災難もないようにと願いをかけたもの。

 配信見ながら別note書いてて見つけた情報なのですが…この👆名前の由来からして「親、思想強そうand愛深そう!」と思いました。だから、願いを込めて女装させてたってのも、あながちっぽいっすよね。
 あとなんかいくつかの作品で、女として生まれて女として生きたお七、絶世の美少女として描かれていまして(天女の像と入れ替わったりとかしてる、西鶴も惚れない男はいないって言ってる)かわいすぎて女装させられてたのかもな〜!!生まれてきた男の子が欲しかった女の子みたいにかわいい顔してたら、ちょっと女の子として育ててみたくなる気もしますもんね。

【御輿が嶽吉祥院の場より】

2023/10/09 追記✍️
 「三人吉三廓初買」を読んでいて、おもろいセリフがあったのでメモ。(原文の音がめっちゃかっこいいので、現代文に直すの超気が引けるぅ)
 様々な罪の詮議にかけられ和尚の元に逃げてきたお嬢とお坊。自分の罪を悔いたのち、人生を振り返ってのお嬢のセリフ。
 「五つの時に誘拐され、他人に育てられ、旅役者になり越後粂三と名に呼ばれ、娘姿で歩いたのを女と間違い口説かれた。そこで思い立ち、美人局。悪いことはすぐに身につき、人の物は俺のものだと積もり積もった悪事の果て。実の親父を知ってはいるが、互いに名乗り合ってしまえばいざという時苦労をかけようから、会わずにいたがこの事を後で知ったら嘆くであろう。」
 つまり、女装で(性的)商売までしてたって話なんだよね…。闇…。子どもなんだから、保護者が自分の体は大切にしなさいって教えてくれないと、訳もわかんないままやってそうだなって思いました。もちろん、保護者のせいだけではないだろうが!

【抱きしめる、こと】

 抱っこ好き?!どう?!抱きしめてほしくてぐずったことない?!私はあまちゃんなので今日好きな友達に「会いたかったよ〜」と抱きついたが?!

 幼少期の愛着形成(健全な子育てによって子どもが親の愛情を受け取る、的な)って、人生において人格を左右する大事な要因なんですよね?
 愛着行動の中で私は「抱っこ」を引っ張り出してきて刺さるのが好き。好きな人に抱きしめられたらなんかうれしくない?(されたにしろ、されなかったにしろ)それって、幼少期の体験での刷り込みだよね?っていう考え。なので私は、人類皆本能的に抱きしめられたい生き物だと信じているし、抱きしめることこそ、プラトニックな愛情表現の頂点だと思っている節がある。常に心の赤ちゃんは抱っこ抱っこと泣いている。赤ちゃん時代に得られなかったことは覆らないから、心に赤ちゃんがいつまでも居座ってしまうんだーーーー。

 でもね、見て。めっちゃいいこと書いてある…これ…。「Ⅵ」読んでほしい…。サッと言うと、「親子関係の中で幼少期に愛着形成がなされなかった大人が、重要な他者と安定した愛着関係を築けることがあるのはなぜだろう?それは、恋人やパートナーとの関係の中で人は新たに愛着を獲得できるから、である。」って〜!
 やば…やっぱり、お嬢はこれから、だったじゃん…無理やだ、死ぬな〜〜〜!!これからいくらだって愛情を得ることができたんだよ、愛着関係の中でしか感じられない幸せを感じることができたんだよ!!!!おーーん。愛着を叶えてくれる和尚という居場所に一瞬しかいられずに死んでいくなんて悲しすぎる!!
 しかしながら、存在の自認が曖昧になっていたお嬢が全肯定してくれる和尚になら命をかけてもいいと思えた、という出来事がお嬢人生最大の幸福だった、かも。愛着は得てみたらこんなもんかって絶望するかもしれないし、幼少期の記憶が蘇っちゃうかもしれないし。
 今、「一緒にいたい」という気持ちを原動力に死ぬまで果たせたのってめちゃくちゃ幸せじゃん…??観劇中は「もう少し生きて幸せになって」としか考えられなかったけど、死ぬなら死ぬで、それまでの人生の最大値をとって幸せを捉えた方がいいね、と真夜中になって思い返します。


 明日は見ながらどんなこと受け取れるかな!たのしみ〜!!

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