見出し画像

医療と3Dプリントの安全に関する勉強会資料(MDE Lab #01 )

医療と3Dプリントに関する情報が盛り上がってきている中、安全性に関してまとまった情報がないためオンラインの勉強会を開催します。

【2020.4.5追記】
本イベントは無事終了いたしました!
30名以上の医療関係者、ものづくりの方、大学関係者と様々な領域から参加してくださり、議論も盛り上がりました!!また、課題やネクストステップも見えてきたので、巻き込ませていただきます!

画像17

また、イベントで使用した資料は、本記事の有料欄へ掲載しておきますので、もしよければご覧ください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<はじめに>

なぜ、3Dプリントの医療の安全性に関して興味を持ったか?

「3Dプリント製のギプス」
ある発表で光造形方式のプリンタでギプスを作り、強度試験もしたが問題はなかったと。しかし、発赤があったが通気性と口頭の発表で言っていましたが...?

※これは、FDM方式(素材:SMP55)で作ったので何の問題もありません。手も僕です。

画像1


誰かのための"ものづくり"が人を傷つけるかもしれない

ユーザーは、ときに予期をしない使い方をしてデザイナーやエンジニアを驚かせます。想像だにしない力をかけて壊してしまったり、間違えて呑み込んでしまったり...。特に医療の現場では、人の生死に関わることがあります。


安全に関して考えることは歩みを止めることではない。

安全に関する議論は、盛り上がっているところに水を刺すような思いをする人もいるかもしれません。しかし、安全について考えることは決して歩みを止めることではありません。
「良い行いを続けられるようにする」ためにとても重要なことなのです。

医療安全においてもsafety-Ⅱという概念があります。
ざっくりいうと以下のような感じ。

<Safety-Ⅰ から Safety-Ⅱへ>
Safety-Ⅰ:発生したトラブルへの対処。
Safety-Ⅱ:トラブルを予期し、良い営みを続けられるようにする(レジリエンスを強化する)


ここから先は

6,683字 / 15画像

¥ 1,100

病院にデジタルアートを届けたり、3Dプリンタを使ってケアの現場を支える実践や研究をしています。 Digital Hospital Art / FAB Nurse/ vvvv Japan Community