サイゼリヤで喜ぶ彼女の狂気…安くてうまいものにも文句を言うようになっているのは狂気としか思えない
という独り言。
最近はサービス業だけではなく製造業に片足を突っ込んでいますが、もともと美容師を長くやっていた経験も踏まえて近年の【安くてうまい】が当たり前化してしまっているズレ感がそろそろ怖い。
見ていてサービス業はいろいろとツラいという想いがあります。
サイゼリヤで喜ぶ彼女という一枚の画像がいろいろと批判を浴びているけど、「サイゼごときで喜ぶ安い女を表していて不快だ」的なフェミニストがたくさん出現しています。
安っぽい女という表現がどうかと思う以前に、サイゼリヤが槍玉に挙げられてるのはかわいそうだなと思うし、もはやどういう思考なの?とも思う。
安かろう悪かろうが成立しない
これってもはや国民性なのではないかと思うんですが、なぜ日本では安くて良いが当たり前なのでしょう。
どこの国を見てもそんな国はないぞ。
安くて悪いもの。
高くて良いもの。
この必然性がとっくに崩れているし、だからこそ労働生産性が低い。
ちょっと考えたらわかることです。
適正な値段の半分で売られているにもかかわらず、材料その他を削減してクオリティを下げるようなことをしなければ利益率が下がります。
10円で仕入れたものを100円で売るのと、10円で仕入れたものを20円で売るのでは結果が違うよね?ということで、経営者じゃなくても小学生でもわかる引き算足し算のレベルの話。
もちろん100円のものが20円で買えたら誰だって嬉しいし、そこに人が集まるのは当たり前。
集客の1つのやり方。
ただ20円で売ることが当たり前ではないのに、当たり前になってしまっている。
100円のものを20円で売ることが企業努力みたいな美談になっていたりするけど、結局のところ年収・給料が上がらないのはここに原因があるし、給料が上がらないから消費が落ち込むサイクルになるのは当たり前のことで、「もっと安くしろ!」という思考になるのもある意味で必然。
しかし、すでに異常事態だと思う。
サイゼリヤで300円でご飯が食えるとか、当たり前のようですけど考えたらハンパないことです。
発展途上国とかで一番安いごはん屋に行くと、もはや建物さえなく外で野良犬と一緒に食べる店だったりします。
美味しいから僕は全く気にならないけど、冷房がきいて、水がタダで出てきて、きれいなテーブルと皿で、美味しい料理が食べられて、店員が接客してくれるようなサービスを求めるのなら倍くらい払ってね?というのが普通。
さらにいい接客とクオリティの高い料理を求めるなら3倍くらい払ってねというのが普通。
ところが日本は冷房がきいて、水がタダで出てきて、きれいなテーブルと皿で、美味しい料理が食べられて、店員が接客してくれる店が最底辺で悪いものかのようになっていて、批判の的になったりする。
そんなもので喜ぶ女なんておかしいとか、そういう感覚になってしまっているのは超やべー事だと思うのです。
どこを見渡してもだいたいそう
美容室だって、近年はカットカラートリートメント3980円とかザラです。
ところが超劣悪なのかというとそんなこともなく、もちろん担当者によるだろうけどそれで成立するということは【安くて悪い】ではないということ。
つまり単純に100円で売れるはずのものを20円で売っているだけですが、マーケティングの仕組み作りでそれでも利益が出るから成り立つ。
薄利多売というやつです。
薄利多売は1つの方法で、それ自体が悪いことではないけど、つられて意図せず安くする店もでてくることでしょう。
相場が下がるということはそういうこと。
美容室の世界で言えば、ほとんどが資本がない個人や小規模法人なのでそういうのに巻き込まれるとただただ疲弊するだけツライものです。
安くするために何を削るか?
こういうところに論点があったりして、なんかちょっと高いカラーの薬とかが悪いような気にもなってくる。
人件費を削減したくなる。
自分の時間を削ったりする。
「安くするためにクオリティをさげよう!」だと潰れてしまうことだけはみんなわかっているから、そこはキチンとする。
国家資格とっても技術習得に莫大な時間を投資してもそれってなんの地獄だよと思ったりします。
仕組みにうまくハマっているところや大きい会社以外はマネするだけしんどくなる。
人力でやっていることだから、そんなことをこれから先いつまでもやり続けるっていうのはやっぱ無理だよねと思い、自分で経営をしてみたり、他店のコンサルティングをやったりしています。
美容室に限らず、すべての業種で似たようなことが起こっていると思います。
立場は選べる
元々がいいものなのだから、高く売れないわけではない。
けど消費者の多くは安くて良いものを求めているからそれが当たり前のように思いがちだけど、結局の所どこにポジションをとるのか?というだけの話だったりします。
高くても買う人は買う。
矛盾しているようだけど僕自身も安くて良い店大好きです。
ご飯に行くにしても毎度毎度高級店になんて行けない。
ただサービスを提供する側としてはそっちには立ちたくない。
小規模だからこそ、薄利多売は色んな所にシワ寄せがいくのでやりたくない。
サービス業がどうとかじゃなくて製造も同じようなものだと思います。
Amazonやメルカリとか、ユーザーからはとても便利で使いやすいものだけど、送料も無料でソッコー発送しなければだめで品質も高くしてなんてことをして初めて売れるものもあります。
1個売って10円が儲かるような世界。
飲食店のテイクアウトだって同じ。
利益が出ても労力分がどう考えてもマイナスなんてことはある話。
それじゃだめだよなと思っていて、製造にしても利益率最低30%〜50%で試行錯誤していて、まあ今の所なんとかなっています。
「良いものを安くしないと売れない」
このルールがやっぱ間違っていると思うけど、社会的には正しいことになっているし、もはや安くて良いものが批判される時代になってしまっている。
だからこそ今どこに立つべきなのか?って考えることは大切で、企業や店舗やサービス提供をする人たち側がちょっと工夫する必要があると考えています。
お客さんを騙すとかではないけど「うちはこの値段でやっている理由がこれです」というものがあれば安くする必要はなかったりするので、そこが作れるかどうか。
消費者目線では資本があるところとないところの違いはわかりずらいし、意図した薄利多売なのかただの安売りなのかも見分けが付きません。
見分けがつかないので提供する側がポジションをコントロールする事は可能だし、そうすることで労働生産性はなんぼでも改善することができる。
サービスの作り込みと見せ方をかえるだけで、基本的に何でも売れると思っています。
サービスの作りこみは発想とかアイデアも大切だけど、アイデアは出せる人は出せるからそういう人に話を聞いて参考にしたりすればいいし、見せ方はもう定番のルールがあるからその枠にはめてやるだけでなにか考える必要はない。
今は何でも安くて良いのだから、同じことをしたら埋もれてしまいます。
実際美容室なんてホットペッパーとか見てももうどこがいいとかわからない。
みんなカットカラートリートメント3980円とか5980円。
10000円払うと高く感じる人もいると思います。
もはやそういう世界観なので、サイゼリヤで喜ぶような彼女が【安い女】というのもズレてるし、デートならもっと高い店に行けよという主張自体が幻想的なのだなと思ったりします。
サイゼも牛丼も、ほんと素晴らしいものなのに。
安くて良いものに感謝できなくなったら、その時はもう心が麻痺してる。
そういうお客さんはもう何でも言う。
すぐキレる。
そういう人を安い給料で接客している店員もまた人間。
切り詰めて頭を悩ましている経営者もまた人間。
厳しい。
けど言葉を選ばずにいえばお客さんは選べます。
僕は選んでいる。
高くても買ってもらえるような努力、見せ方の工夫。
ここができているからそれができる。
やっぱり「誰のため?」「なんのため?」ってすごく大切だと思うし、そこを突き詰めるのが経営者の仕事だと思います。
製造とかも同じだから、今いろいろと頭を悩ましてはいるけどその考えている時間もわりと楽しいものです。
何かを作ることは簡単ではない。
だけどできないことはない。
諦めたら試合終了だよというスラムダンク安西先生の言葉がしみる。
僕には世界を変える力はないけど、ちょっとくらいは抵抗してみたい。
もがくこともそれなりに苦しいけど、誰かに与えられている苦痛ではないから気は楽。
生きていることそのものが苦行だとしても、どちらに立つかで感覚は全然変わる。
そもそも、安いとか高いとかっていうのは個々の世界の捉え方の違いと、生き方の違いという話なのかもしれない。
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