米国黒人社会が抱える葛藤について


◆彼らが伝えていること

1つ目の動画で31歳の男性が16歳の男性に語り掛ける。

「今から10年後、同じことが起きるぞ。
自分の身を危険に晒すのは正解じゃない。
(俺達には出来ない)ましな方法を考えてほしい。」

2つ目の動画で活動家タミカ・マロリーさんはこう言う。

「米国にいる黒人たちは緊急事態にいる。
 それは今日に始まったことじゃない。全ての黒人が老人から子どもまで
狩られる (Being hunted)のでは、という恐怖に晒されている。」

「私たちは略奪をあなたたち(アメリカ)から学んだ。
 私たちは僕力をあなたたち(アメリカ)から学んだ。」

3つ目の動画で、テレンス・フロイドさん(亡くなったジョージ・フロイドさんの弟)はこう言う。


「みんなの怒りは分かる、でも俺の半分にも満たないだろう。
 君たちは何をしてるんだ? 何もしてないんだよ。
こんなことをしても僕の兄はかえって来やしない。」

「だから、違う方法でやろう。
 俺たちの声が届かないなんて考えは捨てて、 投票しよう。」

  「学ぶんだ(Educate yourself)。誰に投票すべきかを。
それがやつらに効くんだよ。だってこっちには仲間が沢山いる。」

「僕らは平和的にやるんだ。僕らはやり方を変える(Switch)んだ」
「平和的にやろう」
「左手に平和を、右手に正義を」

黒人社会が、1960年代からの公民権運動の再来の様に人権を求めている。
約60年間、法律上で撤廃され、実態として色濃く残ってきた人種差別を、
本当の意味で解決しようと黒人たちがまた声を上げている。

◆日本人も他人事ではない

前回の記事にも書いたが、決してこの問題は僕ら日本人にとっても他人事ではない。アメリカで起きてる「白人至上主義」では日本人は有色人種として差別される側だからだ。
日本から出なければ他人事だが、この地球で生きていく上でその考え方ではきっと足りなくなる日が来る。
それに、気づいていないだけで、日本でも日本人の気付かないところで、差別は確実に起きているだろうと思う。
僕らは知らず知らずに加害者になっている可能性だってある。

だから、フロイドさんが言う様に、学びたい(Educate yourself)。
今生きている社会がどうやって成り立っているかを、何が起きているかを。

◆政治への無関心は僕らを殺す

政治が最たる例かもしれない。
自分達のリーダーが自分達に最善を常に尽くしてくれるかなんて、分からない。
初めはそうだったとしても、人間は堕ちる生き物だから、監視の目がないことや慣れで、本当に人の為を行う政治が出来なくなることは仕方ないことだと思う。聖人が政治家になるわけでは決してない。
だから、僕らはしっかり考えて、投票して、自分が生きる環境を創る責任がある。

それを行わないとどうなるか、フロイドさんは僕らにも警鐘を鳴らしてくれる様に聞こえてならない。

◆アメリカ・世界が「真の平和」を得る様に

聖書には平和(Shalom)は「公正」と「正義」の結果生み出されるものだと書いてある。
平和とは、戦争がない状態のことではなく、他者を積極的に尊重し、愛し合う状態のことを指している。
戦争を起こす「憎しみ」や自分が強いことを示したい不要な「自己顕示欲」を、全て「愛」によって置き換えなければいけない。

人が神様の前にはみな平等であるという「公正」さを求めよう。
人種なんて、関係ないはずだ。

人の正義ではなく神様の「正義」を求めよう。
「勝てば官軍(正義)」という考えから、そろそろ人類は抜け出せるはずだ。

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