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奇跡 / A Miracle

久しぶりのNoteの投稿です。
どうしても、この気持ちがあるうちにと思い、書きます。

今は2021年12月6日1:04amです。
昨日5日、愛知県岡崎市にある岡崎ホープチャペルで開催されたゴスペルコンサート「NEXT Genaration Praise」に参加させて頂いてきました。

自分が参加したイベントを素晴らしいというのもはばかられますが、声を大にして言います、素晴らしいイベントでした。
主催頂いたShake the foundation岡崎の皆さん、会場の岡崎ホープチャペルの皆様、関係された皆様、本当にありがとうございました。 

絶望真っ只中

今から24時間前、2021年11月5日、僕は正に「絶望」の中に居ました。
今日の本番があるにも関わらず、声が全く出なかったからです。
11月4日も、別のゴスペルのコンサートに出ていました。
その前から多少の不調はあったものの、コンサートで歌えないほどではないと思い全力で讃美し、帰りの道で異変に気付きました。

声が上手く出ません。
出そうとすると喉がちゃんと反応せず、力を込めていざ出しても喉がひりつき、更には消える瞬間も異音で終わります。
つばを飲み込むことも、痛みこそないものの、何とか飲み込むような状態です。

明日に向けて出来ることとして、Voice Trainingをつけてもらっている、岩崎ひろきに声を聞いてもらい、今から出来うる対応を教えてもらい、その上で彼から出たアドバイスは、「ステロイド等もらえるもの貰って使って、後はしっかり休むしかないね。」とのこと。
まあ、そうだよね。

アドバイス通り、家からほど近い大学病院の夜間救急に行きました。

30分程の待ち時間を経て、当直でいらっしゃった耳鼻科の先生の診察を受けられることに。
歌う仕事があることを説明した上で、触診や口・喉奥・声帯を見て頂いて、先生から出た言葉は、

「声帯炎ですね。一番の治療は、話さないこと、です。」

明日ライブがあり歌わないといけない旨を伝えると、答えは明快。

「以前にもステロイドを処方されていますのでお分かりと思いますが、
あれはごまかしにしかなりません。歌うという繊細に声帯をコントロールする作業に対して、どの程度効くかの確証もありません。」

絶望的な気持ちになりました。

 その気持ちを抱えたまま会計を終え、車に乗り、僕は翌日一緒に讃美をさせて頂く予定のGive U Honeyの皆さんと、主催の佐藤美香さんにLINEを送りました。

神様は必要なものを与えて下さっている/下さるはずだ。だから疑わずに受け入れて、とにかく岡崎に行こう。
でも不安だから、皆さんに祈ってもらいたい。

そんな気持ちでLINEを送りました。

皆さんから「祈ります/祈り倒します」という返事を頂いて、一時心に安らぎを得て、布団に入りました。
が、再度やってきた「声が出ない不安」で、布団に入ってから結局1時間以上寝付けないことになります。


戻らない”声”と押し寄せる”不安” 

翌朝6時、アラームの音で目を覚まし、荷造りを終え、いざ家を出ようとすると、子どもが起きてきて玄関でハグしてくれました。

「行ってらっしゃい」という子どもに「行ってくるね」と返したかったのですが、声はほぼ出ず、お医者さん一押しの治療法「睡眠」でも喉が回復しなかったことを確認しました。

道中ずっと今日歌う曲のOriginal/リハ音源を聞きながら、いざ新幹線に乗り、12号車4Cに座りながら、僕のルーティンである「崎陽軒のシュウマイ弁当」を食べ始めてすぐ、なぜか突然不安が爆発します。

崎陽軒のシュウマイ弁当
「あんずは最後に食べる派」です

僕は今から、岡崎に行っても、歌うことは出来ないんだろうか。
折角ゲストとして招いてもらっているのに。

 この気持ちがむくむくっと起き上がってきました。

他のゲストや一緒に演奏させて頂くGive U Honeyさんの素晴らしさが益々目(実際は耳)について、

コンディション管理も出来ずに、僕は一体何をやってるんだろう

と、それはそれは情けない・苦しい気持ちになるわけです。

何とかこの不安・葛藤に打ち勝とうと、処方してもらったステロイド吸引しようと思いました。
そう、これが、声を取り戻す最後の一手だからです。


ステロイドを諦める

ところが、いざ頼みの綱であるステロイドを手にした時、「ステロイド、使わない方がいいよ。」そういう気持ちになりました。正確には、そう語り掛けてくれる誰かが居た感じでした。のぞみ12号車の4Cに座っていた僕の隣、空いている4Bにいる誰かが語り掛けてくれたんです。
自分だったのかもしれないし、自分じゃないSomeone Greaterだったのかもしれない。

ステロイド、使わなくても、良いのかもしれない。
僕に声が必要なら、神様が与えてくれるに違いない。

そんな風に思えました。 

新幹線は名古屋につき、JRを乗り継いで岡崎駅に着く。
駅から会場の岡崎ホープチャペルまで、タクシーに乗る。

運転手さんも場所が分からないということで、近くにある目印っぽモノをGoogle Map上で見つけて説明する。
その声も依然ボロボロ。

会場の岡崎ホープチャペルに着いて、皆さんにご挨拶する。
その声も勿論ボロボロ。

岡崎ホープチャペル
讃美に溢れた素晴らしい教会

何なら、その後礼拝の中で他のゲストの方と一緒に歌わせて頂いたんですが、その声もボロボロ。 

要は、しっかりボロボロなんです。

これで、コンサートに出るのか。


”奇跡”が起きる 

コンサートや配信の設営が始まり、出演者も続々と揃う中、ゲストシンガーとして福岡から参加されていた貞本正隆Miyone両氏が、お昼ご飯におにぎりを買って来て下さいました。
僕が頂いたのは「シーチキン」。
正直食欲は全くありませんでしたが、なんか食べとかないと、という義務感で食べた感じ。

それから30分程経ってからのリハーサル。

 奇跡が起きました。

声が、出る。

突然、 ただ話せるレベルではなく、歌うことが出来る様になったんです。

なんで??
なんで声が出るんだ??
 

ただ、その感動に包まれて、
ただ、神様に感謝して、
ただ、心の底から溢れてくる歓びに身を委ねて、
リハーサルを終えました。

 何が起きたんだろう・・・

 想定外のこと過ぎて、完全に混乱状態な僕。

なぜ声が出るんだろう。
リハで結構歌ってしまった(←覚えてない)気がするけど、もう喉は元通り使えない状態に戻ってしまっただろうか。
それともこのまま本番を乗り切れるんだろうか。

岡崎ホープチャペルの2階にご用意頂いた控室で、一人で祈りました。

神様、全ての必要はあなたが備えて下さるということを信じます。
ですから、どうか本番もあなたが必要とされる声を、僕に与えて下さい。 


守られる本番と”奇跡”の終わり

そして本番。

僕の声は完全に守られました。

勿論、MCする声はかすれ気味だし、歌っていても裏声に行くと引っかかる感じはありますが、必要な歌は歌うことが出来たと思います。

更にこの奇跡を印象付ける出来事だったのが、本編が終わりアンコールの途中で、声がまた失われたこと。
本編では問題なく出ていた音(F)が出ない。更に、他の音もどんどん出なくなる。

その時、Tenorを貞本正隆とLove Him Firstという素晴らしいSinger2名と一緒に歌わせて頂いていて、僕が頑張る必要が全くない状況がありました。

神様に、必要な時間だけ守って頂いて、その時間が終わったから

「もう休んでよい / Well Done.」

と言われたんだな、と大人しく撤退しました笑

かくして、コンサートは無事に終えることが出来ました。

Give U Honeyの皆さん(左からももこ氏、なつみ氏、りな氏、はんな氏)
お祈りも本番の讃美もありがとうございました
参加された皆様
引用元:Shake the foundation岡崎


【 追伸 】
コンサート序盤にShake the foundation岡崎の皆さんが、Kirk FranklinのMy Life, My Love, My Allを歌われていました。
その中に「Well done」って歌詞あります。
美香さんによる素晴らしい日本語版のWorkshop動画があったのでご紹介。


 ”奇跡”を体験した余韻

帰りの新幹線の中。

往路の席と近い座席がいい気がして、12号車5Cに座りました。
同じ様に5Bが空いていて、また誰かの声が聞こえるのかなぁ思いながら、

ステロイド使うの止めてくれて、ありがとうございました。

と心の中で語り掛けました。
今度は何も返ってきません。

Vocalistとしての僕は、本当にダメな奴でした。
大事な人達が招待してくれた大事な本番に向けて、体調管理が出来なかったんですから。
これは大いに反省し、発声から普段の生活から見直します。

でも、クリスチャンとしての自分はちょっと見直しました。
ステロイドではなく、神様に委ねることが出来たからです。

僕という人間に出来ることなんて、本当にたかが知れています。
でも神様のされることには限界がない。
そのことを頭でわかっていても、心で信じ切れずに行動できない自分がいました。

 この奇跡で、そんな自分を変えられた気がします。
それがこの”奇跡”を体験させてもらった意味なんだろうと思うのです。


わざわざnoteに書いて、公開する様なことではないかもしれません。
「作り話」だと思われる方もいるかもしれません。
ただ、僕はこの経験を残したかったし、必要な方がいらっしゃるかもしれないと思い、記します。
それこそ、神様に書かせてもらっているのかもしれない、と思うのです。

もうすぐChristmasです。
この記事をご覧になった皆さんお一人お一人が、祝福に溢れた時期を過ごされます様に。


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