東京五輪は開催できるか、すべきか?

1.無観客開催でもよいからやってほしい

2021年に入ったが、コロナウイルスは依然、社会に蔓延している.2回目の緊急事態宣言も出され、収束の目処が立たない状況が続いている.

しかし今年は夏に東京五輪が予定されている.本来であれば昨夏開催されているはずの五輪、あるはずがなかったTOKYO2021・・・選手はもちろん、関係者、おそらく日本国民全員がその開催について気にしているはずだ.

僕の意見は、「無観客でもいいから開催してほしい」というものだ.やはり、出場を夢見てきた選手の想い、誘致活動も含めて、多くの方が開催に向けて血のにじむ努力をされてきたことを思うと、どんな形であれ、開催してほしいと思う.

ただ、場合によっては、国民の命にもかかわる問題のため、楽観的に言える意見でもないことは承知だ.そこで、素人の意見ではあるが、自分なりの私見を述べたいと思う.

2.もし開催中止となると・・・

これまでにオリンピックが中止になったのは、1896年にギリシャ・アテネで開かれた第1回大会以降、計3度あり、今回の東京五輪が中止になれば、4度目に中止された夏季五輪となるようだ.

いずれも中止理由は、「戦争」であり、今回のようにウイルスが原因での中止は人類初となる.しかも東京は、戦前の中止を踏まえると、今回で2度目の開催中止となる.

中止となった場合の経済的損害は甚大だろう.これまで誘致活動に費やしてきたお金、五輪を期待して投資をしてきた観光業やお店の方々、グッズ販売などに携わってきた方々・・・その落胆ぶりはとても言葉には出来ない.

3.選手にとってオリンピックとは

しかし、五輪が中止となった場合に、誰よりも、何よりも、最も辛いダメージを被るのは、この日のために死ぬほどの努力をしてきた選手の皆さんだ.

オリンピックは出場したくて出来るものではない.尋常ならない努力、鍛錬、精神力、そして才能、、、人生のすべてをかけてきたと言っても過言ではないと思う.

しかも五輪は4年に一度しかない.今年ダメなら来年、、、というわけでもない.最高峰の舞台で、その競技人生のピークを4年後まで保つことは非常に困難のはず.モチベーションの問題もある.いくら頭で理解できても、精神は納得できない、葛藤の日々が続くことは容易に想像がつく.

4.ピンチをチャンスに変える

しかし、ここで、ふと思うのは、自分たちは、思考停止していないだろうか.五輪の在り方、開催の仕方をもっと柔軟に考えられないだろうか.

無観客開催もそのアイデアの1つだが、他にもないのか?もちろん、お金が絡む以上、大人の事情があるのはわかる.しかし、ゼロベースで、あらゆる可能性を議論してもよいのではないだろうか.

たとえば、夏季の一定期間に、全競技を開催しなければならないのか?東京五輪だが、東京も含む、東京以外の場所での並行開催ではダメなのか?オンライン会議が主流になりつつある今、オンライン大会のようなものはできないのか?

おそらく、世界中の専門家の方々も踏まえて、大規模なブレストをやれば、もっと多くの有益なアイデアが生まれるのではないだろうか.五輪を開催することを優先するのであれば、もう東京でないとダメとか、札幌でマラソンするのは遺憾だ・・・などと言っているレベルではないと思う.

仮に今回のコロナウイルスが収束し、夏に無事に五輪が開催された場合であっても、今後、新たなウイルスが世界中を襲わないとは限らない.その日のためにも、この経験は必ず無駄にならないと思う.ピンチをチャンスに変える思考、それが今こそ必要なのではないだろうか.

5.やると決めれば、あとはやるだけ!

東京五輪を開催するのか否か、、、結論が出るのはもう少し先だろう.政府やIOCは、表向きは開催の方針を示しながら、直前まで、両方の可能性を模索するものと思われる.

ソフトボール日本代表の上野選手は、先日、報道ステーションのインタビューで、「五輪があろうとなかろうとやるべきことは変わらない」と語っていた.さすが、すごいメンタルだと思った.「やるべきことは変わらない・・・」このメンタルは、今後、人生のいかなる局面でも、忘れずにいたいと思う.

最後に、もう一度、個人的な意見だが、東京五輪は無観客でも何でもいいので、とにかく開催してほしい.名前は東京五輪にも関わらず、会場が外国でも構わない、夏季五輪であっても、秋に競技が行われてもかまわない.人類の知恵を絞って、コロナに打ち勝った証として、開催という勝利をつかんでほしい、つかみたい.僕はそう思っている.




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?