見出し画像

お風呂はエンタメ 今昔物語

開催期間 2024年4月6日〜6月9日
パナソニック汐留美術館にて
(山梨展→大分展→東京展
 →6/22から神戸展)

テルマエ展
お風呂でつながる古代ローマと日本

こちらの展覧会へ出かけてきました。去年の暮れに訪れた永遠の都ローマ展の番外編です。特にローマ展と確固たる連続性もないため
「お風呂好き」なら楽しめる展示

ナビゲーター/テルマエ・ロマエの
主役ルシウスは、日本の浴衣を
ローマ人らしく着こなすイナセな男

''お風呂文化"に特化した親しみやすい展示で、予習/予備知識なくてもサラッと短い時間で楽しめる空間でした

ひとつ 注意点

展示会場の中は

入ってすぐ 撮影不可
途中から  撮影可  
ふたたび  撮影不可
最後は   撮影可

床を見て歩こう

床に見えるカメラマークで
''撮影可'' or ''禁止''
が分かるシステムです

これが分かればあとは
テクテク歩くだけ
(撮影不可コーナーで1度注意
受けましたゴメンなさい)

それではお風呂文化の世界へGo!!


カラカラ帝がお出迎えの撮影不可ゾーン

カラカラ帝

注)掲載写真は公式HPおよび
「AERAローマ帝国 ココがすごい!永遠の都ローマ」から写真を抜粋

カラカラ帝、本名は長いです
ルキウス・セプティミウス・
バッシアヌス...

通称/カラカラ帝は歴代ローマ皇帝の中では悪名高い暴君の一人ですが
良いこともたまにしているようです。
そのうちの一つが

カラカラ浴場の建設

・・・とその前に
お風呂文化を紹介する前説として
古代ローマ都市のくらしに関わる
"貨幣"や娯楽で使用する''兜''の展示がありました。加えて、宴に欠かせない"杯'' "皿"なども展示されており、
その品質の高さに圧倒されます。
日本はまだ卑弥呼の時代において

いかに
古代ローマ人の生活レベルが高いか

お洒落に気を遣い日常を楽しむ
熱気が溢れています

今回の展示において有名かつ印象的な遺物がこちら

炭化したパン(レプリカ)

約2,000年前のパンです

フォカッチャかな?
パイかな?
8等分の''切れ目''までついています。
このパンはポンペイ遺跡から出土したもので直径20cmほどの大きさ。
ヴェスピオ火山が西暦79年に噴火し
「1日にして消えた街 ポンペイ」
に暮らす人々は想像以上に豊かな暮らしをしていることがわかります。

さぁ 古代ローマ人の生活を垣間見たあとは本題のお風呂へ

古代ローマの共同浴場は、単純に身体をきれいにするにとどまらず、
マッサージのような追加料金でのサービスが用意されていて、身分の違いに関係なく、同一料金で楽しみ、客同士の交流の場となっていました。

ローマ帝国ココがすごい!永遠の都ローマ

スーパー銭湯のコンテンツが既に完成されていた古代ローマのテルマエは
インテリア&エクステリアが凝りに凝っています。大理石のヴィーナス像やフレスコ画、モザイクタイルなどが設えてあり「癒しと優雅な時間」が一体化しています。

ライオン型の吐水口が立派
コレで体の垢こする(肌かき器)
香油を塗ったり

お風呂へ入ることは日常であり
「エンタメ」
お風呂にまつわる道具一つ一つが
お洒落で機能的

さらに 今回の展示で個人的に一番感動したのが

お風呂セット

感動した分、写真の尺を多めに取ってみました

垢すりと香油入れ、髭剃り一式が纏めてある優れものです
紛失防止にもなりますね

さらに道具セットへ近づいてみると

持ち手に犬の顔

写真の画素が粗くて見えづらいかもしれませんが、二頭の犬が向かい合わせで顔をつけています

古代ローマ人の気合の入ったテルマエ生活はとてつもなく破壊力がありました

続いて 撮影可のコーナーへ

恥じらいのヴィーナスが待っている撮影OKゾーン

正面から
横から

撮影許可が下りたことが嬉しくて360度ぐるっと回って写真を撮りました。他の来場者の方が映り込んでいることも含めて臨場感が出ていたら幸いです。このヴィーナスが浴場にババン!と飾られているお風呂、貴族風呂としか思えないのにローマ人なら誰でも利用できる、これがローマの寛容の素晴らしさ。

牧神頭部のモザイクが飾られ
フレスコ画のヴィーナスまで

ちなみにこのヴィーナスはカエサルの生まれたユリウス家の始祖だそう

ヘラクレス小像
ヘラクレスのトルソ
カラカラ浴場の再現模型

ここらへんで
古代ローマのテルマエ展示は終了
対になる日本(江戸)の展示は前半が撮影不可 後半ふたたび撮影が可能になります


日本の風呂文化の紹介

湯屋の模型 見てて楽しい
弓矢(ゆみや)→ゆや(湯屋)

洒落も効いています

湯屋と人々の暮らし

あまりに精巧に作られている湯屋の模型にウットリです

ちょっと近づいてみましょう

は〜お風呂気持ち良かった♪

そんなお話しが聞こえてきそうな
日本の夜

続いては

また別の湯屋です

再び近づいてみましょう

気持ちよかーー
奥には脱衣所が見えます
丸見えの男湯 入墨の人もいます

ふと 目を横へ見遣ると

猫が覗いています
女風呂 丸見えです
覗きじゃないですよ 仕事中

模型を眺めていると
楽しくて 楽しくて
ただひたすらに
童心に返りました

続いては こんな展示もあります

有馬温泉のガイドブック
熱海温泉のガイドブック
江戸時代の旅行ガイドブック

日本では「日本書記」「万葉集」に道後温泉が登場するくらいに湯治が古くから行われていました。ただし、それは上流階級に限ったことであり普通の庶民が湯治を実践できるようになるのは江戸時代に入ってからです。
遠い水源地から都市部まで水道を繋ぎ、各浴場で加熱した古代ローマの浴場に対し、日本では温泉の湧くところに湯治場が築かれました。

火山国だからこそ可能だった贅沢

明治時代になって西洋医学の本格的な導入がはじまるとそれまで大雑把だった効能書きが具体化され、適用症状が増加することになりました。

ローマ帝国ココがすごい!永遠の都ローマ

古代ローマと日本の風呂文化は、火山大国であり常に自然災害と対峙する点などにおいて共通点が複数あります。キリスト教が普及する以前の古代ローマは多神教国家であったため、日本の神道(八百万の神)の考えと相容れる価値観を共有できるからこそ古代ローマの世界の魅力に圧倒され続けていくのです。

お風呂の文化から知る
古代ローマ帝国は
やはり深遠な存在なり

普段はシャワー派
Junko Summer

↓ポンペイの遺跡の様子をちらっと載せています

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?