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そこに愛はある

ここしばらく、おそらく3ヶ月くらい
ネトフリはほぼ見てなくて、
でも子ども達が熱心にコナンの映画見てるから
まぁいいかと解約はしてなかったんやけど、
公開から3ヶ月とかそんなで
『カラオケ行こ!』の配信が始まったので早速視聴。

映画館にも見に行ったけど、
原作のコミックスより好きかもって思うほどの良作で、
上映中にもう一回くらいは見に行きたいと思っていた。でもそのもう一回に行けないままもう配信が始まった。

簡単にストーリーを紹介すると、聡実くんは、
合唱部の部長で、ボーイソプラノの
真面目やけどちょっとニヒルな中学3年生。
コンクールで歌う姿を見込まれ、
やくざの狂児から、カラオケの先生役を頼まれる。
狂児の組では、組長の誕生日にカラオケ大会が開催され
最下位になると、「絵心うんこ」の組長に
刺青を入れられるので、なんとかそれを避けたい狂児は
聡実くんにカラオケの指導をしてほしいと頼む。
無理やりカラオケに連れて行かれ、
狂児が「今までずっとこれで勝負してきた」っていう
『紅』を聴かされた聡実くんは、感想を聞かれて
「終始裏声が気持ち悪い」。
最初は、やくざっていう部分にびびっていた聡実くんも
自分をリスペクトして扱ってくれる狂児に
心を許しはじめ、そしてなにか惹かれるものもあり、
レッスンを続ける。

というかんじで、あんまり簡単じゃないけど笑
要は、ヤクザと中学生のバディものです。

(以下はほぼネタバレなので読みたくない方は
 スルーでお願いします)

好きなシーンはいろいろあって、
オープニングの雨の中を狂児が
びしょ濡れで歩いているバックショットから
シャツが張り付いた背中に刺青が入っているのが見えて
狂児がどういう人か分かる。
で、狂児が向かってるのは、
中学生の合唱コンクールで、そこで聡実くんと出会う。
で、そのまま聡実くんを強引にカラオケに連れていく。
聡実くんは持っていた傘をカラオケの部屋に忘れる。
後日、晴れているのにその傘をさした男が
聡実くんの通う中学校の正門前で立っている。
それを見つけた女子生徒に
「あの傘、岡くんのちがう?」って言われると
「違うと思うよ」
って言いながら、正門に駆けつける聡実くん。
聡実くんに傘をさしかけながら
「カラオケ行こ?」って微笑む狂児。
この流れとシーンがすごく好き。

なぜか狂児のペースに巻き込まれてく聡実くん、
でも狂児のキャラが魅力的で
そうなっちゃうよねぇってのも納得できるというか。
思春期の男子ならではの照れとかいきりとか
大人へのちょっとした距離感とか
聡実くんもすごくうまく表現してて
きゅんとする。

思春期で変声期で、合唱部での最後の舞台で
ソリを任されるも、うまく歌えそうになくて
揺れている聡実くんの心も
狂児の「世の中にきれいなもんしか存在する
わけじゃない」的な言葉に救われるっていう
屋上でのシーンも大好き。

でもやっぱりいちばんは、
合唱祭の日に、聡実くんがバスに乗ってると
いつも行っているカラオケ屋で
狂児の車が事故ってるのを見かけて
結局合唱祭を抜け出して、
カラオケ大会のほうに走っていくシーン。

原作読んでるから、ストーリー知ってるはずやのに、
カラオケ店での事故を聡実くんが目撃してから
スナックにかけつけて『紅』を熱唱し、
狂児がトイレから戻ってくるシーンまで映画館で号泣。

『紅』の歌詞もめちゃくちゃはまってて
聡実くんが声が潰れるのもいとわず、
絶唱する健気な愛に涙とまらんわけですよ。

ネットのインタビューも読みまくって
ビジュアルブックまで買って
たっぷり余韻に浸ってたんやけど、
改めて見てもやっぱりいい。

聡実くんも、狂児もお互いを住む世界が違っても
大事に思っているところ、
おおっぴらじゃないけどそこはかとないBL感、
ふたりの関係性は、師弟なのかともだちなのか
名前をつけて表現できるものじゃないけど
そこに愛がある!ってのは確実で
めちゃくちゃ良い映画でした。

漫画のほうは、『ファミレス行こ!』っていう
続編があるので、映画も続編期待したい。
もちろん、キャストは変えずに。

綾野剛はもちろんやけど、
聡実くん役の齊藤潤くんがすごいよい。
あの年代にしか出せないキラキラ感。
ビジュアルブックの中で、監督さんが
「齊藤潤のドキュメンタリーでもある」って
話してるけど、彼の青春がギュッとつまってる。

聡実くんと狂児の周りのキャラもすごく良くて
何回見ても楽しめるし、新しい発見がありそうな
映画だと思う。


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