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地球教室②🌎ふたつのパッケージ

先日行った地球ミュージアム、もっと満喫したくて、今日も息子と行ってきました。
息子のお目当てはデジタル地球儀、私のお目当ては人類学者竹村真一先生の講演。
今日は「海と人類の関わり、その過去・現在・未来」についてお話しされていました。

「私たちは海」

と先生。確かに海は生命の源とよく言われる、うんうん。
でも、先生の説明はこういうことでした。
人間の体の塩分濃度は海になぞらえられることがあるが、そのパーセンテージは微妙に違う。ある研究によると、私たちの身体の塩分濃度・成分は私たちの遠い祖先が海から陸に上がる前の原始の海の成分とほぼ一致する。

「要するに、私たちは毎日原始の海のパッケージを持ち歩いているんです。」

持ち歩くために買った手帳は忘れてきたが、原始の海パッケージはいつでも持っているのか、私。というかみんな。
太古の海で種が生み出されていたのを、人は同じ成分の羊水の中で再現している。
神秘的、ロマンチックとも言えるけど、その普遍性にあきれてしまうというか、ただただ驚いてしまった。そしてじわじわと感動。

講演の後、壁に掛けられていたパネルをひとつひとつ読みました。全部写真にでも撮って読み返したいほど充実した内容です。
その中に古代日本人のルーツについて書かれたものがありました。
古代ポリネシア人が台湾・フィリピン付近から島づたいに拡散し、黒潮に乗って日本にもやってきたのではないか。

日本語音読指導者養成講座で習ったことがよみがえりました。日本語とポリネシア語は母音を言語脳である左脳で聞かせる言語ということです。ほかの言語は母音を右脳で聞くそうです。要するに、この2つの言語はもともと同じであったのではないか、海上で別の船に乗っている仲間とコミュニケーションをとるために大声で一音一音伝えたのではないか、そして一部のポリネシア人が黒潮に乗って日本にたどり着き、大陸からの侵略者と混ざった後もその一音一音性が日本語に残り続けているのではないか。松永先生の言語面からの仮説は見事に最新の人類史研究と合致しています。

私たちは太古の海を体に満たし、海上で育まれた言語を話して暮らしている。

自分が人間で日本人、くらいはわかっていたけど、毎日ロマン感じるパッケージをふたつも持ち歩いていることには思い及びませんでした。

日本語の一音一音性。そこに着目している松永先生の音読メソッド。日本語の起源、日本人のルーツ、人間のからだ。なんて壮大なスケールなのでしょう。その深さに驚きました。カタカムナの響きがまた特別になりそうです。

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