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里帰りの記録 2023年6月(3)

福島県立美術館へ。常設展観覧券がベン・シャーン。特集展示「眼にうつる詩ー美術と文学の交差点」最終日でした。ベン・シャーンの作品をたくさん見られてよかった。

福島県立美術館は、私にとっては初恋のひとのような場所でして。どのまちのどんな美術館へ行っても、福島より広いなぁとか、福島より新しいなぁとか、福島より明るいなぁとか、つい福島県立美術館を引き合いに出して考えてしまいそうになる。そして、もしも「好きな画家は誰ですか?」と聞かれたら「ベン・シャーンとアンドリュー・ワイエスです」と答えようと思っている。残念ながら、そんな質問をされる機会は全くないのだけれど。「お酒何飲むんですか?」とはよく聞かれるのに。
(「お酒何飲むんですか?」って不思議な質問だなぁ、と近頃思うようになった。「麺類だったら何よく食べる?」とか「いま家にどういう花咲いてる?」とか「夏野菜は何をどうやって食べるのが好き?」とか「野菜何育ててる?うちいまツルなしササギ」とか、そんな話題のほうがずっと興味がある。聞きたいし語り合いたい。)

それはさておき、福島県立美術館が私はたいそう好きである。作品も建物も庭も景色も。駅から歩いていく道も、福島交通のバス「ももりん号」も、いい電(飯坂線)も美術館図書館前駅も。美術館と図書館を見守るような信夫山も広い空も。空も山も水面も青くて青くて青くて、よい初夏の日だった。

亜欧堂田善の図録も買えてよかった。iPhoneのように親指と人差し指で、ぐいーっと拡大して見たくなる。実物もいつかまたみられるといいなぁ。その日が来るまでは、この図録を大事にして、じっくり見て、じっくり読もう。

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