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里帰りの記録 2023年6月(3)
福島県立美術館へ。常設展観覧券がベン・シャーン。特集展示「眼にうつる詩ー美術と文学の交差点」最終日でした。ベン・シャーンの作品をたくさん見られてよかった。
福島県立美術館は、私にとっては初恋のひとのような場所でして。どのまちのどんな美術館へ行っても、福島より広いなぁとか、福島より新しいなぁとか、福島より明るいなぁとか、つい福島県立美術館を引き合いに出して考えてしまいそうになる。そして、もしも「好
里帰りの記録 2023年6月(2)
父の愛車、青いトラクターでニンニク掘り。のはずが、「なんだかんだで手作業が一番手っ取り早い」という結論に至り、父がスコップで掘り起こし、母と私が土を落としてコンテナに詰め、ひと畝掘るのにどれだけ時間がかかっただろう。耕運機は休憩用のテーブルにぴったりだった。
実家の「中の間」と呼ばれる部屋には、ダイユーエイト(福島でホームセンターといえばダイユーエイト)で箱買いしたジュースやらお茶やらスポーツ
里帰りの記録 2023年6月(1)
梅の収穫の合間に、リヤカーに積まれた摘みたての梅の実と、剪定して空の青の分量が増した梅の木とを眺めながら食べる、どら焼きとアクエリアスのおいしさよ!
畑へ行く前に久しぶりにお墓参りをして、どら焼きふたつと庭に咲く花とをお供えしてきた。スーパーで一袋数百円で売られているどら焼きじゃないのよ、仙台土産のちょっといいどら焼きよ、生きてる私たちでおいしくいただきましょうよ。そう思わなかったと言えば嘘にな
あめあめ(やさしく)ふれ(やさしく)ふれ
暖かくなって、雨の降り始めにアスファルトの匂いがするようになった。私はこの温かくて冷たくて乾いて湿った匂いが好きだ。夏の帰り道の匂い。ぽつ、ぽつ、ぽつ、始まりの雨音も好き。やわらかいやさしい雨、植物たちが潤ってよろこぶくらいの雨が好き。それより強いと、すこしこわい。
生まれて育った家は築100年以上の古い木造校舎のような建物で、雨音がすさまじかった。生命の危機を感じるくらいの轟音。テレビをつ