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子供を授かるという事は、当たり前ではないんだなぁ。
この子はどんなに泣いただろうか?
長女が子供2人を連れてピアノのレッスンに来た時、帰り際に3人目作るの辞めたけん、というより作れないみたい、と事情をササッと説明して帰って行った。
私達は、突然の事で何を言っていいのか戸惑うばかりで、まあ男の子と女の子がいるからねぇ、と言うのが精一杯だった。
後から、どう言う事なん?と夫とスマホで長女の言った事を調べて、何となく事情はわかったが、何とも言えない気持ちでいっぱいになった。
長女が3人子供が欲しいのは知っていて、そのうち出来るだろうと思っていた。去年、なかなか出来ないから婦人科に通っている事も知ったので、よほど欲しいに違いないと思っていた。
それを諦めないといけなくなったという事を聞いて、たまらなく愛おしくなった。もちろん、不妊で悩んでいる人が沢山いる事もわかっているし、すでに2人の子供がいる長女は幸せなのもわかっている。
だが、やはり長女の事を思うと可哀想でたまらなかった。
丁度、節分でもあったので、巻き寿司をとどけるから、と言って長女の所へ行き、ハグした。
もう、私は大丈夫よ、と照れながら言ったが、きっと沢山泣いたんだろうなぁと思うと抱きしめる事しか出来なかった。
わかった時は、ベッドの中で一日中泣いたけんもう大丈夫なんよ、と長女は言った。
そうよね、そうよね、と思った。
ただ、この子で最後だからと思って育てなかったのが少し残念なんよ。ずっともう1人産むって思ってたから。
私は何の問題もなく3人の子供を産んだので、娘がそんな思いをするとは思っていなかった。
子供を授かるという事は、当たり前ではなくて、女の側と男の側の双方の状態がよくなくては出来ない事なんだなぁ、と改めて思った。
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